英Canonical、Ubuntu 11.10をリリース


 英Canonicalは13日(英国時間)、Linux OSの新版「Ubuntu 11.10」を提供開始すると発表した。クラウドへのフォーカスを強めており、アプリケーションのセットアップを支援するツール「Juju(開発コード名:Ensemble)」などが実装された。

 Ubuntu 11.10は、4月に提供された「Ubuntu 11.04」以来となる最新リリース。今回も、デスクトップ向けのUbuntuと、サーバー向けのUbuntu Serverがラインアップされた。

 Ubuntuでは、Ubuntu 11.04で採用されたデスクトップ環境「Unity」を引き継ぐが、3D性能を必要としない「Unity-2D」が新たにサポートされたことで、グラフィック性能の高くないPCや、最新の環境などでも利用しやすくなったという。また、メールクライアントがそれまでの「Evolution」から「Mozilla Thunderbird」に変更されている。

 一方のUbuntu Serverでは、Ubuntu Cloud InfrastructureのコアIaaSとして「OpenStack」を実装。さらに、アプリケーションがセットアップされた環境を容易にセットアップできるツール、Jujuが新たに用意された。Ubuntu Serverを展開するにあたって、標準化と自動化を実現することで、マニュアル操作を最低限に抑えつつ、クラウド環境全体の一貫性を確保できるようになるという。

 また、ARMアーキテクチャをサポートしたため、消費電力を重視する環境においても利用可能になったとのこと。ARM版はまず、テクノロジープレビューとしてリリースされる。

 なおUbuntuでは、2年ごとに長期サポート版(Long Term Support:LTS)を提供しており、今回は次期版「Ubuntu 12.04 LTS」(2012年4月予定)の提供を控えた、最後のリリースとなる。

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