2011年第2四半期のサーバー市場、「京」のおかげで高成長~IDC Japan


2011年第2四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア【出荷額】

 IDC Japan株式会社は29日、2011年第2四半期の国内サーバー市場動向を発表した。市場規模は前年同期比35.4%増の1282億円、出荷台数は同65.9%増の19万5000台と、出荷金額・台数ともに大幅増となった。

 今回の高成長は、富士通の「京」コンピュータによるもの。TOP500ランキングで1位を取った「京」は6万8544個のCPUを搭載する大規模なもので、今回の出荷実績から「京」を除くと、出荷金額の成長率は0.1%減でほぼ前年同期並みとなる。ただし、出荷台数は「京」を除いても7.6%増となった。

 ベンダー別では、「京」の影響で富士通が首位に。以下、IBM、HP、NECと続く。ベンダー共通なのは、x86サーバーが好調だったことで、HPでは情報サービス業向けに1000台超の大型案件が複数あり、NECでも出荷金額で3年ぶりとなるプラス成長を下支えした。x86サーバー出荷台数のみでは、HPがNECを抜いて1位を獲得している。

 IDC Japan サーバーリサーチマネージャーの都築裕之氏によれば「今期はx86サーバーが好調だった。震災の教訓から災害対策(DR)関連の案件が目立った。また、スマートフォンのコンテンツやクラウドサービス関連の大型案件が多数あった。インターネットビジネス向けの出荷好調にはスマートフォンの普及が、クラウドサービス向けの出荷好調にはBCP(事業継続計画)への投資が寄与している」とのこと。

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