米Microsoft、Windows Intuneの次期ベータ版を公開~アプリ配布機能などを追加
米Microsoftは12日(米国時間)、PC管理機能を提供するクラウドサービス「Windows Intune」について、次期バージョンのベータ版(以下、2011年7月 ベータ版)提供を開始した。Webサイトからの申し込みで無償利用でき、PC10台まで使用可能。使用期限は、次期製品版の販売後の30日後までとなっている。
Windows Intuneは、更新管理、資産管理、マルウェア対策、稼働監視、リモートアシスタント、ポリシーベースの構成管理などの機能を統合して提供するクラウドサービス。ベータ版提供当時は500台までの環境で利用できるとされていたが、その後上限が撤廃され、大企業でも利用可能になった。ただしActive Directoryとの連携には対応しておらず、大企業でも1事業所、1部門、持ち出しPCに限って適用する、といった部分的な利用がほとんどになるという。
今回の2011年7月 ベータ版では、過去のベータ版提供時や、正式サービス開始後にユーザーから受けたフィードバックを反映。要望が多かった機能を追加したほか、サービスの操作性を改善している。
具体的には、まず、.EXE/.MSI/.MSPファイル形式のアプリケーションを配布する機能が追加された。ウィザードに従って配布したいファイルを登録すると、そのファイルはいったんWindows Azureストレージにプールされ、そこから各クライアントPCへ展開される仕組み。配布したいPC・グループに対し、対象OSなどのポリシーに従って配布作業が実行される。
ストレージ容量としては、ベータ提供時や評価版は2GB、正式版リリース後の課金ユーザーにはそれ以上の容量が提供される予定で、課金ユーザーは、必要に応じて追加購入も行えるようになるとしている。
アプリケーションの配布は、PC単位、グループ単位で行え、スケジュールや対象OSなどを設定できる |
コンテキストメニューからリモートタスクの実行が可能 |
また、特定のPCを右クリックした場合に、コンテキストメニューに「グループに追加」「インベントリから削除」「リモートタスク」といった表示がされるようになった。ここから「リモートタスク」を選択すれば、マルウェアのスキャン、マルウェア対策用定義ファイルの更新、PCの再起動といった操作を行える。
このほか2011年7月 ベータ版では、ライセンス管理機能の強化、ハードウェアインベントリに関するレポート機能の強化、読み取り専用のアクセス権を持った管理者の設定、オフラインインストールへの対応、といった改善が行われている。
これらの機能を盛り込んだ正式版は、2011年内に提供される予定で、クライアント側の自動バージョンアップも行われるので、ユーザーは特に手間をかけずに、新バージョンの利用が可能になるとしている。
ハードウェアインベントリのレポート出力が可能になった | インベントリ管理の結果だけを総務担当者に見せたい、といった要望に応えて、読み取り専用のアクセス権が設定されている |