クラウドを重視するレッドハット、RHEL7ではOpenStackなどに代わる管理機能も


米Red Hat プラットフォーム事業部 プロダクト・マネージャー Shubandu Ghosh氏

 レッドハット株式会社は14日、米Red HatでRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を担当するプラットフォーム事業部プロダクト・マネージャーのShubandu Ghosh氏の記者会見を開催した。国内のパートナー企業との定期的な会合に来日したのに合わせてのもの。

 Ghosh氏は「Red Hatは開発コミュニティーやベンダー、ユーザー企業との間で触媒となる」と語り、パートナーとの協力の重要性を強調した。例えば、サーバーの新機種が登場したときにRHELの対応をパートナーが確認する必要が発生することや、ソフトウェアベンダーがパフォーマンスを上げるためにRed Hatのサポートを受ける場合があることなどを例に上げ、「次のRHELのリリースに向けて、主要なパートナーやユーザー企業から話を聞いて、ITニーズを把握していく」と説明。今回の来日についても、富士通や日立、NECなどと会合を持ち、市場動向や、各企業にとって重要なこと、必要としているテクノロジーなどについて話を聞き、RHEL6のアップデートや次期バージョンであるRHEL7に反映していくという。

 また、「エンタープライズのユーザーに複数のシナリオを提供する」とし、新しいデプロイメント形態としてクラウドについても重視すると説明。クラウドプロバイダーとの協業も進め、その意見がRHEL7に反映されるだろうと語った。

 今後のロードマップについては、RHEL6に今後3年かけて新機能を追加していくこと、次期バージョンのRHEL7ではさらに大きな変更を加えることを紹介した。RHEL7で考えている新機能としては、まだ計画段階であると断りながら、クラウドの大規模なデプロイメントのための管理ツールとそのためのAPIを挙げた。この分野ではCloudStackやOpenStackなどの管理ツールがあるが、「それらのツールで扱いきれない、ネットワークのボンディングやルーティングといった部分も管理できるようにしたい」と説明。RHELとしてはそうした管理のためにAPIをオープンに提供してサードパーティの管理ツールからも扱えるようにするほか、Red Hatとしても管理ツールを提供していくという計画を明らかにした。

Red Hatは開発コミュニティーやベンダー、ユーザー企業との間で触媒となる、という説明パートナーやユーザー企業とのコラボレーションの重要性を強調
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