インターコム、クラウド型PCセキュリティソフト「MaLion」
インターコム株式会社は6日、クラウド技術に対応したPCセキュリティソフト「MaLion Internet Security クラウド」を発売した。
MaLion Internet Securityは、マルウェア対策、パーソナルファイアウォール、ネットワーク浸入防止、メールスキャンなどのセキュリティ技術を統合した製品。アンラボの「V3 Internet Security 8.0」を基にしている。
“クラウド版”では、クラウド上のウイルス解析センターのデータベースをリアルタイムで参照する「クラウド方式エンジン」と、未知のウイルスの検出精度を高めた「DNAスキャン」という技術を新たに実装している。
クラウド方式エンジンは、クラウド上(Smart Defence Center)のデータベースにパターンファイルを配置し、ユーザーのPC上で未知のファイルが発見された際に、インターネットを介して照会するもの。
PC上で未知のファイルが発見されると、その特徴(DNA)をクラウドへ転送し、照会結果が返される。この仕組みがDNSスキャンと呼ばれるもので、一般的にヒューリスティックと呼ばれる技術だ。「特徴はマルウェアのDNAだけでなく、正常ファイルのDNAも抽出しており、それらをマッチングすることで、精度を向上している点」(インターコム)。
また、PC上のエージェントにもパターンファイルを保持し、クラウドとのやり取りを最小限に抑えることで、高いパフォーマンスも実現しているという。
クラウド方式エンジンの概要 | DNAスキャンの概要 |
このほか、Webサイトの安全性を診断する「SiteClean」も搭載。ユーザーがアクセスしようとしたWebサイトに対して、悪性コードの有無、フィッシングサイトリストなどを分析し、危険な場合は通信を遮断する。
SiteClean:安全だった場合 | SiteClean:危険だった場合 |
また正規サイトが改ざんされて不正ファイルがダウンロードされるようなケースに対して、「ダウンロードファイルのリアルタイムスキャン」機能も搭載する。また、Google、Yahoo! Japan、Bing、BIGLOBE、goo、@nifty、Infoseek、NAVERの検索結果ページにおいて、URLの安全/危険性をアイコンで示す「セーフサーチ」も利用できる。
ダウンロードファイルのリアルタイムスキャンの概要 | セーフサーチの概要 |
インターコムでは当面、ISPなどへのOEM提供を行う方針。エンドユーザーへは各ISPなどからオリジナルブランドとして提供される。今後は「MaLion Internet Security クラウド自体に決済機能を搭載し、一般企業への直販も検討する」としている。