日立、大学向けのクラウド型仮想デスクトップソリューションを提供


 株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、大学向け情報システムソリューション「IT Solution for Campus」のラインアップに、「大学向けクラウド型仮想デスクトップソリューション」を追加すると発表した。2月25日から提供を開始する。

 「大学向けクラウド型仮想デスクトップソリューション」は、大学内に設置したサーバーに仮想的なPC環境を格納し、ネットワーク経由でOSやアプリケーションを動作させるソリューション。手元の端末ではなく、サーバー内の仮想環境でデスクトップが動作するため、学生や教員などのユーザーは、PC教室や研究室などの大学内に設置されたPCだけでなく、自宅のPCやタブレット端末からでも、時間や場所、手元にある端末の性能にとらわれずに、大学内と同じPC環境を利用することができる。

 これによって、研究や学習を自宅などで行えるようになるので、学習環境の大幅な向上を期待できる点が、ユーザーにとってのメリット。一方システム管理者にとっても、大学内のPC環境をサーバー側で一元管理できることから、従来はPC教室のPCごとに行っていた利用環境の構築、ソフトウェアのバージョンアップなどといった作業が大幅に効率化され、管理・運用コストを削減できるメリットがある。

 開発にあたっては、米国で大学向けに開発されたアプリケーション提供システム「Virtual Computing Lab.(VCL)」を活用。構築した学内クラウド環境を、大学内でより効果的に利用するための機能も提供する。

 具体的には、各種アプリケーションソフトなど、講義で使用する環境を持った仮想PCの必要台数を一括で予約できる「ブロック予約機能」が、教職員向けに提供される。学生に対しても、自宅のPCなどからWebブラウザ上で学内クラウド環境の事前利用予約をすることにより、手元にあるPCからネットワークを介して仮想PCを利用できる「遠隔予約機能」が提供されるとのこと。

 さらに日立では、VCLが標準で提供する英語画面を、日本語・中国語に切り替えて利用できる「マルチリンガル機能」を追加したほか、学生や教員などユーザー情報の一括登録や削除、Active Directoryとの連携などをサポートする「ユーザー管理機能」を加えている。ユーザー向けにも、遠隔予約機能において、携帯電話からも予約できるよう機能を拡張した。

 価格は個別見積もり。日立では、今後3年間に50ユーザーの獲得を目指している。

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(石井 一志)
2011/2/24 11:43