日本HP、ハイブリッドクラウドを迅速に構築し管理する「Hybrid Delivery」
エンタープライズサービス事業統括 ITアウトソーシング事業本部 クラウド・サービス ビジネスプランニング・マネージャの増永俊和氏 |
日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は26日、エンタープライズクラウドを実現する「HP Hybrid Delivery」ソリューションを発表した。
同ソリューションは、オンプレミス、アウトソース、クラウドなどさまざまなインフラが混在するエンタープライズクラウド環境を迅速に配備、管理するもの。新サービスの高信頼IaaS「HP Enterprise Cloud Services Compute(HP ECS)」、プライベートクラウド構築製品「HP CloudSystem」、クラウド導入ワークショップ「HP Cloud Discovery Workshop」で構成される。ユーザー企業は、迅速性・拡張性に加え、セキュリティやプライバシーにも優れたクラウド環境を、自社のニーズに合わせて構築できる。
HP ECSの特長 |
HP ECSは、同社最新鋭のデータセンターから、プライベートクラウド環境をサービスとして提供するもの。「サーバー、ストレージ、ネットワークのリソースを従量課金で提供するとともに、企業ユースに耐える安全性や信頼性を付与し、Converged InfrastructureやHPオートメーションソフトで管理の自動化も実現する」(エンタープライズサービス事業統括 ITアウトソーシング事業本部 クラウド・サービス ビジネスプランニング・マネージャの増永俊和氏)。
HP CloudSystemの特長 |
HP CloudSystemは、プライベートクラウドをユーザー企業内に構築するための製品をパッケージしたもので、「Cloud Service Automation」と「BladeSystem」をベースに、インフラからソフト、管理、サービスカタログ、ポータルまで一括して提供する。
Cloud Service Automationは、プロビジョニング、アプリケーションの管理、構成管理といった自動化に必要な機能を、単一ポータルからプライベートでもパブリッククラウドでもワンストップに適用可能。このため、ハイブリッドクラウド環境全体でサービスを構築・管理できるとともに、事前設定されたカタログオブジェクトを提供する「HP Cloud Maps」に対応し、新しいクラウドサービスを数分で立ち上げ可能となっている。
HP Cloud Discovery Workshopの特長 |
HP Cloud Discovery Workshopは、クラウドを上手に活用するための戦略や、クラウド化に向けた最適なルート開発を支援するワークショップ。ビジネスモデルの提案、セキュリティ、クラウドに向いているサービスの特定など、各種テーマを網羅する複数のモジュールを用意しており、クラウド導入について全世界で培った経験や知識を駆使し、熟練した専門家が実施する。
増永氏はHP Hybrid Deliveryの狙いについて、「ITサービス提供形態は、従来型の印ソース、アウトソース、プライベートクラウド、パブリッククラウドに大別され、企業はこれらを最適に取り込みながら、ITサービスを最適化する必要性に迫られている。このため当社では、すべての物と人を接続し、ITの力でビジネスに瞬発力を与える『Instant-On Enterprise』を提唱しており、HP Hybrid Deliveryはそこへ向けた1つ構成要素となる。従来のインソースのほか、プライベートクラウドをサービスとして提供するHP ECSと、自社内プライベートクラウドを構築するHP CloudSystemを管理性を含めて提供することで、Instant-On Enterpriseを実現していく」と説明した。
HP ECSの日本での販売は今夏以降を予定する。