日本HP、アプリライフサイクル管理を実現する10製品を一挙投入


執行役員 HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部長の中川いち朗氏
アプリケーションライフサイクル管理

 日本HPは12日、アプリケーション開発時の品質管理やテストの自動化を実現する「ALM(アプリケーションライフサイクル管理)ソリューションズ」10製品を発表した。

 同社によれば「アプリケーション開発の生産性や品質向上を実現するALMに注目が集まっているが、その実践には開発フェーズだけでなく、プロジェクト計画から開発、運用、廃棄に至る一貫した管理が必要」という。かねてより、HP Quality Center(QC)を中核とした総合的なソリューションを提供してきた同社だが、今回、「ALMソリューションズ」10製品を投入することで、「開発フェーズの効率的な管理を実現。計画・運用フェーズのソリューションと連携させ、ALM全体の管理ソリューションを強化する」。

 10製品には、ALMプラットフォーム「HP ALM 11」、品質管理ツール「HP QC 11」、手動テストツール「HP Sprinter」、要件管理ツール「HP Requirement Management(RM)11」、自動負荷テストツール「HP LoadRunner 11」、Webベースの負荷テストツール「HP Performance Center(PC)11」、非GUIアプリケーション向けの機能テストツール「HP Service Test(ST)11」、GUIアプリケーション向けの機能テストツール「HP Functional Testing(FT)11」、HP ST/FTをバンドルした「HP Unified Functional Testing(UFT)11」、HP ALM/QC上で稼動するビジネスプロセスツール「HP Business Process Testing(BPT)11」が含まれる。

要件管理ツールの画面例

 中核となるのは、HP ALM/QMの2製品。HP ALM 11は、要件・品質・開発フェーズの管理を1つのプラットフォームに統合し、複数のプロジェクトに対してALMを実現する。各重要ポイント(マイルストーン)ごとにチェック項目(KPI)を設定して品質管理する「プロジェクト計画&追跡」、複数のプロジェクトをまとめて管理する「クロスプロジェクトレポート」などの機能を備える。一方のHP QC 11は、プロジェクト単位での要件・テスト・不具合の追跡機能を提供する。

 「従来、テストツールと呼ばれる製品は部門単位で導入されることが多かったが、最近ではALMの観点で全社導入されるケースが増えてきた」(執行役員 HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部長の中川いち朗氏)という。従来のHP QC最上位製品「HP QC Premier」の後継としてラインアップされたHP ALM 11は、そうしたケースに対応するためのもの。

 このHP ALM/QMと連携する形で、機能テスト・負荷テストツールを多数用意。自動負荷テストツールのHP LoadRunner 11には、Ajax技術を使ったWebアプリケーションの負荷テストに対応する新機能「HP TruClient」を追加している。また、手動テストツールのHP Sprinterは今回追加された新製品で、実際のアプリケーションを操作しながら画面ショット、注釈、データ投入の自動化、操作ログの記録などを実現。「自動化できないテストについても、大幅に工数を削減できる」としている。

HP Sprinterのテスト実行画面実際のアプリケーションを操作しながら、各要素をチェックし、画面上に直接注釈などをつけられる。以前ならスクリーンショットをとり、Excelなどに張り付けてレポートとするなど手間がかかっていた

HP QCに直接不具合を登録データを自動的にアプリケーションに挿入することも可能。もっとも退屈なテスト作業時間を大幅に節約できるという

 HP ALM 11/QC 11では、エンタープライズアプリケーション領域に加えて、家電やケータイなどで成長著しい組み込みソフト領域を対象とする。戦略としては、パートナーとの連携により、ユーザーの円滑な導入を支援する業界・用途別のプロジェクトテンプレートなどを提供していく。

 また、HP LoadRunner 11については、HP TruClientを軸にRIA領域にフォーカスし、より購入しやすいよう価格改定も実施する。HP LoadRunnerは、コントローラーと仮想ユーザーライセンスで構成されているが、仮想ユーザーライセンスの価格を最大40%値下げするほか、初めて利用する顧客向けにコントローラーの価格を60%割り引く「My First LoadRunnerキャンペーン」も展開していく。また、一定の期間のみ利用できるタームライセンスも用意している。

 販売目標は明かされなかったが、「国内市場において“明確なNo.1”を目指す」との意気込みが語られた。



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