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日本HP、モバイル対応を強化した自動テストツール「HP Unified Functional Testing」新版

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は26日、自動テストツールの新版「HP Unified Functional Testing 11.5」と、同製品のモバイル実機テスト拡張ソリューション「HP Unified Functional Testing Mobile」を発表した。これによって、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)ソリューションのラインアップを強化し、モバイル実機テストを含む、多様な短サイクルの開発ニーズに対応するという。

 「HP Unified Functional Testing」は、アプリケーションのさまざまなテストを自動化するソフトウェア。GUIアプリケーションの自動機能テストツール「HP QuickTest Professional」と、バックグラウンド実行される非GUIサービス対象の自動機能テストツール「HP Service Test」から構成される。

 今回の新版では、従来は個別にインストールする必要があった「HP QuickTest Professional」と「HP Service Test」を完全に製品統合しているのが特長で、それぞれの機能テストを、1つのインターフェイス上から実行・管理できるようになった。これによって、モバイルを含むさまざまなアプリケーションの機能テストをさらに効率化できるという。

 また、イメージベースでオブジェクト認識を行う新機能「インサイト」が追加されたのも大きな強化点。従来までのプロパティベースによるオブジェクト認識では、例外的に認識できないオブジェクトが存在していたが、インサイト機能を用いれば、認識されないオブジェクトへの対応がスムーズに行えるとのこと。これにより、モバイル機器のエミュレータのキーなどをイメージで認識可能となり、実機だけでなくエミュレーションでの、モバイルアプリケーションの機能テストをサポートする。

 また、ビットマックチェックポイントやファイルコンテンツチェックポイントの機能を拡張し、後者では、帳票などを含むPDF、Word、テキストファイルの比較をサポートした。このほか、オープンソースのCIツール「Jenkins(Hudson)」との統合や、Windows 8、Internet Explorer 10、Google Chrome(Replay only)などのサポートも行われている。

 一方、今回新たに提供される「HP Unified Functional Testing Mobile」は、テスト対象となるモバイル機器の実機を取り付け、多数のテスト実行者で共有できるクラウドサービスを付帯した拡張ソリューション。個々のユーザー企業専用のクラウドとして、「HP Unified Functional Testing 11.5」の新機能を活用できるだけでなく、「HP LoadRunner」などの性能テスト製品を利用しているユーザーが、すぐにモバイル機器のテストを実施可能な環境を提供する。

 さらに、実機を直接コントロールできるため、エミュレーションやエージェント接続では不可能な高速な動きに対応したテストを行える点もメリットで、実機の交換作業依頼により、数時間でほかの機器に切り替えて別機種のテストを実施可能とした。

 「HP Unified Functional Testing」の価格は、コンカレントライセンスが240万円(税別)、シートライセンスが128万円(税別)。「HP Unified Functional Testing Mobile」は個別見積もりとなっている。

(石井 一志)