マイクロソフト、プライベートクラウド構築を推進する「Hyper-V Cloud」プログラム
マイクロソフト株式会社は19日、より短期間かつ低コストでプライベートクラウド(企業内クラウド)の構築を可能にする取り組み「Hyper-V Cloud」を、11月25日より順次開始すると発表した。国内パートナー各社と連携して行うもので、プライベートクラウドの導入推進の本格化を図るのが目的という。
柔軟なリソースの活用を可能にするプライベートクラウドは、企業での需要が高まっているものの、構築にあたっては、システム設計や検証などの事前準備、ハードウェアやソフトウェアの詳細設定などが必要になるため、システム稼働まで数カ月を要する事が課題になっていた。
マイクロソフトでは、こうした課題に応えるため、システム設計から、導入支援、運用まで一貫したソリューションをパートナー各社と共に提供する包括的なプログラムであるHyper-V Cloudを提供。導入支援サービス、中堅・中小規模企業向けホスティングサービスを提供するほか、日本独自の導入相談窓口を設置するなども実施する。マイクロソフトによれば、このプログラム活用により、プライベートクラウドの導入に要する期間を、最大で約7割程度削減できるとのこと。
Hyper-V Cloudのうち、「Hyper-V Cloud Fast Track」では、クラウドの構築に必要なサーバー、ストレージ、ネットワーク機器といったハードウェアと、パートナー各社のシステム管理、クラウドポータル、また、仮想化プラットフォームのHyper-V、System Center製品群などのソフトウェアを共同検証する。対応パートナーは、デル、NEC、日本IBM、日本HP、日立、富士通の6社で、大企業向けの垂直統合型クラウドソリューションとして位置付けられている。
また「Hyper-V Cloud Service Provider Program」では、Hyper-VとSystem Center製品群など、マイクロソフトの技術で構築されたクラウド環境を、サービスプロバイダから提供する。こちらの参加企業は、IDCフロンティア、CTC、IIJ、NTT Com、GMOインターネット、日本ユニシスの6社。
3つ目の「Hyper-V Cloud Deployment Guides」は、マイクロソフトのエンタープライズサービス部門であるマイクロソフトコンサルティング(MCS)によるコンサルティングサービス。世界各国でMCSが蓄積した豊富なノウハウをもとに、既存システムを活用しながらプライベートクラウドを構築するためのツールや技術情報などを提供し、個々のユーザー企業に適したクラウド環境の構築を支援するという。
最後の「Hyper-V Cloud Accelerator」では、クラウド導入プロセスを「提案」「評価」「証明」「展開」の4つの段階に分け、MCSおよびマイクロソフトの認定資格持ったパートナー各社より、ツールや評価サービスを提供する。また、日本独自の取り組みとして、Hyper-V CloudをはじめとするWindows Serverプラットフォームを活用したプライベートクラウドや、サーバー仮想化の導入などに対応した相談窓口「Hyper-V Direct」を、11月25日より開設するとした。電話またはメールで、顧客企業およびパートナー各社からの質問や相談に回答する。