CTC、新ブランド「cloudage」を立ち上げ~クラウドビジネスを強化


 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は7日、クラウドビジネスに関する新たなブランド「cloudage」を立ち上げると発表した。同社が4月に策定した、今後3年間のビジネスの方針を決める中期成長戦略のなかで、「クラウドコンピューティングビジネスは、中期成長ドライバーの1つであり今期の注力ビジネステーマである」とされた。これに伴い、同社ではこれまで提供してきたさまざまなクラウド関連ソリューションを整理・統合して、cloudageを発足させたという。

cloudageを発表する、取締役兼常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員の齊藤晃氏
「cloudage portal」のイメージ

 cloudageの基本コンセプトは「クラウド時代のビジネスインフラストラクチャを創造」であり、クラウドビジネスを企画・推進する専任組織「クラウドビジネス企画推進部」を創設し、2012年度に700億円の売り上げを目指すという。

 cloudageとはcloudとageを合わせた造語だが、サービスカテゴリを1)プライベートクラウド構築ソリューション、2)仮想化ホスティング、3)SaaS、4)クラウド導入コンサルティング、5)クラウド運用アウトソーシングの5つに分類しており、10月7日付けで1~3にかかわる3つの新サービスが発表された。

 1つ目はクラウド型ポータルサービス「cloudage portal」である。マイクロソフトのビジネスコラボレーション用プラットフォーム「SharePoint Server 2010」を基盤としたサービスで、自社で構築・運用する場合と比べて短期間、低コストでの導入が可能だ。CTCは独自開発と提携サービスを合わせて20種類のSaaSを提供しているが、自社開発したポータルサービス「Biz-Horizon」の後継サービスとなる。

 また、ガイドラインの策定や権限設定など、CTCが10年間のポータルサービスで培った構築・運用におけるノウハウを活用し、日々の運用業務およびポータルの活性化を支援するサービスや導入コンサルティングをパッケージにして提供する。価格は、1ユーザーあたり月額980円(税別)からとなっている。

「SOIDEAL for Storage/Data Protection」のイメージ
セルフサービス型仮想化ホスティングのトライアルを開始

 もう1つは、プライベートクラウド構想立案コンサルティングサービスである「SOIDEAL」のサービスラインアップの拡充である。プライベートクラウド環境に合わせて、ストレージおよびバックアップシステムを最適統合するための設計・導入コンサルティングである「SOIDEAL for Storage」と「SOIDEAL for Data Protection」の提供を開始する。

 また、セルフサービス型の仮想化ホスティング(IaaS / PaaS)のトライアルサービスも開始した。仮想化ホスティングではすでにフルアウトソース型の「TechnoCUVIC」を提供しているが、ユーザー向け専用ポータルでITリソースの設定変更が可能なパブリッククラウド型のサービスを追加する予定で、2010年いっぱいは特定ユーザーに利用してもらいそのフィードバックを受ける。商用サービスの開始は2011年を予定しているという。

 このサービスではVMware vCloud Directorを基盤として利用しており、サーバー・ストレージ・ネットワークなどのITリソースを自由に増減できるほか、ファイアウォールやロードバランサーなどのネットワーク設定も専用ポータルからユーザー自身が行える。料金体系は未定だが、従量課金で提供されることになるだろう。また、プライベートクラウド環境を保有する企業向けにポータルシステムをオンプレミスで提供したり、ハイブリッドクラウドに対応した機能拡張をしたりする予定もあるようだ。

 なおCTCでは、「CTC クラウドDay 2010」と題したセミナーを11月5日に開催する予定である。


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