ストレージインフラの運用方法を見直す企業が増加-IDC Japan調べ


2009年に実施したストレージインフラの投資・運用方法の見直し(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は4日、国内企業のストレージ利用実態調査結果を発表した。これによると、回答企業(938社)の55.9%が2009年中にストレージインフラの投資・運用方法を見直していた。その際、アセスメントサービスを利用している企業が多く、また今後利用を検討する企業が多いことも判明。2010年のストレージ投資の重点については、「バックアップ手法の見直し」「容量の利用率向上」が1位2位となった。

 毎年実施している国内企業のストレージ利用実態に関する調査。今回が9回目で、Webを利用した調査で938社から回答を得た。

 2009年はストレージ投資が大きく落ち込んだが、それに対応してストレージインフラの投資・運用方法を見直す企業が増加。回答企業の55.9%が2009年中に見直しをかけており、その具体的な内容として、最も多かったのが「バックアップ手法の見直し」(29.0%)。次いで「ディスクストレージ容量の利用率向上」(25.2%)、「ベンダー/SIerとの交渉による調達コスト削減」(24.8%)、「バックアップ統合」(21.8%)、「スモールスタートな投資手法への切り替え」(20.6%)が上位を占めた。

 これに伴い、ストレージインフラに関するアセスメントサービスの利用も増加。大企業の25.2%、中小企業の13.6%が有償・無償を含めたアセスメントサービスをすでに利用しており、大企業の22.2%、中小企業の13.2%が今後の利用を計画していた。具体的なサービス内容としては、「運用管理コストの削減」(41.1%)、「インフラコストの削減」(36.6%)、「容量の利用率向上」(31.7%)、「消費電力/冷却コストの削減」(23.3%)、「ファイルサーバー管理の効率化」(23.0%)が上位5項目を占めた。

 また、2010年のストレージ投資の重点については、第1位が「データ量増大への対応」(42.0%)。次いで「バックアップの効率化」(34.2%)、「ストレージセキュリティの強化」(21.0%)、「バックアップ統合」(17.9%)、「災害対策」(17.9%)が上位5項目を占めた。

 IDC Japanでは、「IT投資の増加が見込みにくい環境で、ストレージインフラの利用率向上やコスト削減が国内企業の課題となっている。その対策となるストレージ仮想化や重複排除といったストレージの新技術による常用開拓が、ストレージベンダーに新たなビジネス機会をもたらす」と分析している。

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