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APCジャパン、ホットアイル上部に設置する新・近接冷却システム

データセンターの省スペース、省電力を実現

あいさつをする代表取締役社長の内藤眞氏

 株式会社エーピーシー・ジャパン(APCジャパン)は9日、新たな冷媒ポンプ式冷却システム「InRow OA/RDU(Refrigerant Distribution Unit)」を発表した。9月1日より販売する。

 新しい冷却システムは、ラック上部に設置しホットアイルの排熱を吸い込み冷却する「InRow OA」と、データセンター外部に設置し、冷水と熱交換した冷媒をInRow OAに供給する冷媒分配器「RDU」で構成される。InRow OAは、データセンター内の熱源に対し、最大27kWで冷却が可能。RDUは、160kWの最大容量を持ち、1台につき最大InRow OA×5台分をサポートする。

 主なメリットは、InRow OAを天井スペースに設置でき、ラックスペースを最大限に確保できること。InRow OAは下部から吸い込んだ排熱を必要な温度まで冷やし、再排出する。その冷たい空気は下に流れ、IT機器の吸気口に供給される。

 マイクロプロセッサ制御を採用した高精度な温度制御機能(冷水量、冷媒量、ファン速度を実負荷に応じて自動制御)を備え、従来型の製品と比較してさらなる消費電力の削減が可能。また、システムの稼働状況がひと目でわかる操作パネルも備え、改良・増設時にはモジュール方式で柔軟に拡張していける。

 結露水を発生させない露点温度による運転制御機能も搭載。RDUはデータセンター外部に設置できるため、データセンター内に水配管を必要としないのも特徴だ。

 想定価格は、10kWラック×14本のシステム規模で2900万円から。販売目標は3年間で200セット。

InRow OA/RDUの概要
ラック列に置く従来製品に対して、天井スペースに設置するのが新製品の特徴
設置イメージ
特徴。結露水を発生させない露点温度による運転制御機能も搭載
実際に設置した様子
手前のシステムがRDU。データセンター外部に設置することも可能
排熱の吸い込み口