米QLogic、ネットワークインフラ製品の日本市場向け事業戦略を発表

日本事務所の体制強化、3つのビジネスモデルで市場開拓へ


 米QLogicは、FCソリューションを始めとするネットワークインフラソリューションの日本市場向け戦略についてプレス発表会を開催した。発表会では、日本事務所の新たな代表に就任した安田稔氏が、日本向けの販売体制やサポート体制などについて説明した。

 安田氏の発表に先立ち、まずQLogic アジア太平洋・日本地域営業担当副社長のマーティン・ダーリン氏がワールドワイド市場の事業概況を紹介。「当社はストレージネットワーク、コンバージドネットワーク、HPCネットワークの3つの領域にフォーカスした事業展開を進めており、連続で黒字を続けている。製品ポートフォリオ別の売上比率では、ホストプロダクツが72%を占め、ネットワークプロダクツが18%、シリコンプロダクツが8%となっている。とくに、FCアダプタ市場においては、リーディングベンダーの地位をより強固なものにしており、2010年度第1四半期は2位に19%もの差をつけてトップシェアをキープしている。今後は、FCスイッチやFCoEスイッチ、InfiniBandスイッチなど新たな市場開拓にも注力し、さらなる成長を目指す」と述べている。

FCアダプタ市場シェアの推移成長の原動力となる市場機会

 続いて、QLogic コーポレート・コミュニケーション担当シニアディレクターのスティーブ・ジヴァニック氏が、先月発表した新型ASIC「FCoE ASIC」の特徴について説明。「現在のデータセンターは、各種プロトコルにあわせて、複数のスイッチ製品を導入する必要がある。当社が発表したFCoE ASICでは、業界初のフレックスポート技術によって、iSCSI、FC、FCoE、イーサネットを共通のファブリック上に融合することで、スイッチ製品の統合化を可能にする。これにより、プロトコルの種類に依存することなく、ネットワークインフラを柔軟に構築することができる。さらに、今後のクラウドコンピューティングに必要とされるネットワークの仮想化を実現する」としている。

QLogic アジア太平洋・日本地域営業担当副社長のマーティン・ダーリン氏QLogic コーポレート・コミュニケーション担当シニアディレクターのスティーブ・ジヴァニック氏
QLogic 日本事務所代表の安田稔氏

 次に、日本事務所代表の安田氏が、国内向けの事業戦略について発表を行った。まず、安田氏は、「今年1月に私が入社したとき、日本事務所のスタッフは3人だったが、現在は6人まで拡大している。今後数カ月のうちには、倍の人数へと事業体制を強化する」と、日本事務所の体制を急速に整備する計画を明らかにした。

 そして、「現在、日本市場においては、J-OEMビジネスモデル、グローバルOEMモデル、チャネルビジネスモデルの3つの領域でビジネスを展開している。このうち、OEMの売り上げが全体75%を占め、チャネル経由が25%となっている」と、日本市場向けのビジネスモデルを説明した。

J-OEMビジネスモデル(セールスイン)グローバルOEMモデル(セールスアウト)チャネルビジネスモデル

 具体的に、「J-OEMビジネスモデル」は、NEC、富士通、日立製作所といった日本国内のOEM企業向けに、同社製品をセールスインするビジネスモデル。シリコンプロダクト(FC ASIC、FCoE ASIC、iSCSI ASIC)、ホスト・バス・アダプタ(FCoE CNA、FC 4/8Gb、iSCSI 10Gb)、ファイバーチャネル・スイッチ&ルータ(FC 4/8Gbスイッチ、マルチプロトコルルータ)、InfiniBand(スイッチ、HCA拡張カード)などの製品をOEM展開しており、「最も売り上げが大きい製品は、シリコンプロダクトだ」(安田氏)という。

 「グローバルOEMモデル」は、HP、IBM、デル、オラクル、EMCといった外資系OEM企業向けに、同社製品をセールスアウトするビジネスモデル。ファイバーチャネル・スイッチ&ルータ(スタッカブルFCスイッチ、バリューパフォーマンスFCスイッチ、マルチプロトコル・ルータ、ブレード内蔵FCスイッチ)、仮想化ファブリック&フレックスポート(ブレードサーバーコンポーネント、ネットワーク仮想化ソリューション、HPバーチャルコネクト)、InfiniBand(IBスイッチ、HCA拡張カード、ブレードサーバー内蔵IBスイッチ、メザニンカード)などのプロダクトがメインとなる。

 「チャネルビジネスモデル」は、自社ブランドをチャネル経由で販売するビジネスモデル。ホワイトボックスパートナーやシステムインテグレーター、ストレージベンダー向けに、ホスト・バス・アダプタおよびファイバーチャネル・スイッチを販売展開するほか、HPCマーケットや大学・研究所、自動車・半導体・金融、HPCシステムインテグレーションパートナー向けにはInfiniBandも拡販していく。

 安田氏は、今後の事業拡大に向けて、「日本でのビジネス成長のために、投資を継続していくとともに、日本のOEM顧客とのビジネスのさらなる拡大と成功のためにリソースを集中する。そして、日本市場において、競合他社からマーケットシェアを奪回していく」と意欲を見せた。

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