ニュース

2017年第2四半期の国内サーバー市場規模は1014億円、7四半期ぶりにプラス成長~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は10日、2017年第2四半期(4月~6月)の国内サーバー市場動向を発表した。2017年第2四半期の国内サーバー市場規模は1014億円(前年同期比0.6%増)、出荷台数は10万8600台(同3.3%減)となった。

 市場のうち、メインフレームの出荷額は214億円(前年同期比19.4%増)で、7四半期ぶりに前年同期比でプラス成長となった。前年同期は、2015年第2四半期にあった大型案件の反動で、2桁のマイナス成長だったが、今期は金融向けの大型案件などが貢献した。

 x86サーバーの出荷額は733億円(前年同期比1.8%増)、出荷台数は10万7500台(同3.4%減)。出荷台数がマイナス成長する一方で、出荷額がプラス成長となったのは、x86サーバーの平均単価上昇によるもので、出荷台数の2~3割を占める1ソケットタワーサーバーの出荷が減少する一方、同4~5割を占める2ソケットラックマウントサーバーの出荷が好調だった。

 その他のサーバーは、出荷額が66億円(前年同期比39.0%減)、出荷台数が1072台(同1.1%減)。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「メインフレームやx86サーバーの出荷額は、前年同期比でプラス成長であった。その他のサーバーも、出荷台数でみると需要は底堅いとみている。しかし、国内においてもクラウドサービスの台頭は顕著である。更新需要に頼ったサーバービジネスでは、今後、国内サーバー市場は縮小する一方である。ITバイヤーが、自社に最適なコンピュートリソースを選択していく中で、ITベンダーには、システムライフサイクル全体に渡るコストメリットを提示することに加え、ITを活用したニュービジネスを提案するなど、ITバイヤーが得られる様々なベネフィットを訴求していくことが求められている」と述べている。

 出荷額によるベンダーシェアは、1位が富士通(19.2%)、2位がNEC(15.6%)、3位がIBM(14.2%)、4位が日本ヒューレット・パッカード、5位が日立製作所(8.8%)となった。

 1位の富士通は、x86サーバーが前年同期の大口案件の反動などで2桁のマイナス成長となった一方、金融向け大型案件が貢献し、メインフレームは2桁のプラス成長、その他のサーバーもプラス成長となった。

 NECは、前年同期の大型案件の反動で、メインフレームとその他のサーバーは2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーはプラス成長。IBMは、その他のサーバーは2桁%のマイナス成長だったが、メインフレームは金融向けの大型案件が貢献して2桁%のプラス成長となった。

 日本ヒューレット・パッカードは、その他のサーバーは前年同期の大型案件の反動で2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーはITサービスや通信向けの大口案件などが貢献して2桁%のプラス成長となった。日立製作所は、メインフレームは2桁%のプラス成長だったが、x86サーバーとその他のサーバーは2桁%のマイナス成長で、その他のサーバーもマイナス成長となった。

2017年第2四半期 国内サーバー市場 ベンダーシェア【出荷額】(出典:IDC Japan)