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国内企業のクライアント仮想化の投資対効果は400%超、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は11日、国内クライアント仮想化市場のROI(投資対効果)に関する分析調査の結果を発表した。2012年以降の過去5年間におけるクライアント仮想化のROIは400%を超え、高い投資対効果が実証されたとしている。

 調査によると、クライアント仮想化導入企業のROIは421.2%だったが、クライアント仮想化導入企業でワークスタイル変革を実施している企業のROIは453.2%とさらに高く、投資額やベネフィットについても同様の傾向が見られると説明。ワークスタイル変革実施企業は、全社目標が設定されているケースも多く、具体的な効果が「見える化」されやすいと考えられるとしている。

 ワークスタイル変革に取り組んでいる企業で、クライアント仮想化導入企業におけるエンドユーザー1人当たりの初期投資額は5万7448円、年次投資額は22万5640円、ベネフィットは83万7447円。クライアント仮想化製品の従業員普及率(クライアント仮想化製品を使用している従業員の割合)は41.7%、エンドユーザーの1日当たりの平均使用時間は約3.68時間(1日8時間勤務と想定した場合)となった。

 また、クライアント仮想化製品の導入にり、エンドユーザーでは28.0%、IT管理者およびITスタッフでは、企業全体では34.2%の生産性向上などの便益増加が見られたという。

 クライアント仮想化のソリューションおよび構成の多様化と、ストレージやネットワークなどインフラ系への投資が進んだことで、投資額は増加傾向にあり、投資額の増加およびワークスタイル変革などの施策によってスループットが向上し、生産性向上や業務効率化によるベネフィットの向上に繋がっている説明。IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「ITの有用性を測定する定量的指標としてROIは有効な指標のひとつである。今後、適正かつ健全なIT投資/活用が経営戦略上不可欠であり、ROI分析によって、クライアント仮想化がエンドポイントにおける重要なIT施策のひとつと捉えられる」と述べている。

三柳 英樹