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日本IBM、機械学習にも対応したデータアナリティクスアプライアンス「Integrated Analytics System」を発表
2017年9月22日 06:00
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は21日、データ分析ソリューションの新製品として、専用アナリティクスアプライアンス「IBM Integrated Analytics System(以下、Integrated Analytics System」を発表した。
Integrated Analytics Systemは、IBMのPowerアーキテクチャーサーバーとフラッシュアレイ、Mellanoxの10GbEスイッチ、BrocadeのSANスイッチで構成され、各種データサイエンスのツールが組み込まれたデータ分析向けのアプライアンス製品。
IBMがこれまで提供してきたデータウェアハウス(DWH)アプライアンス「IBM PureData System for Analytics」と「IBM Netezza」の思想に基づき、新たに機械学習などのアナリティクスや、複数のワークロードをオフロードするためのクラウド対応機能を搭載した。
ハードウェアアーキテクチャーとしては、1ラックに7つの計算ノード(Power 8 S822L 24コア・3.02GHz、メモリ512GB、600GB SAS HDD×2、Red Hat Linux)、最大3つのフラッシュアレイ(IBM FlashSystem 900)が搭載可能。ユーザーデータの容量は192TB(4倍圧縮想定)。
米IBMのIBMハイブリッド・クラウドアナリティクス・プラットフォーム ゼネラルマネージャーであるロブ・トーマス氏は、すべての会社にとってデータは戦略的な資産になりつつあり、データサイエンスをより高速化し、簡単に使えるようにすることが必要だと説明。一方で、現在のアナリティクスプラットフォームを管理する上では、データの種類とデータの保存場所の多様化、機械学習など新たな分析ニーズへの対応、パフォーマンスと運用管理などに課題があるとした。
こうした中で、クラウドの活用も増えているが、クラウドで生じたデータとオンプレミスのシステムとの連携が重要となり、オンプレミスの環境でもクラウドのような柔軟性と信頼性、可能であればワークロードを別の環境にオフロードするといった機能が求められているとした。
新たに提供を開始するIntegrated Analytics Systemは、すべての組織がデータサイエンスを素早く導入できる製品になると説明。機械学習処理もオンプレミスで完結できるため、データに対して直接アクセスして分析でき、データを読み込み、数時間以内に処理/分析の開始が可能だとした。
パフォーマンスが最適化されたハードウェアにより、一般的な製品の2倍から5倍のクエリーを処理でき、以前は難しかった、あるいは高額になるため実行できなかった分析も可能になると説明。また、データ仮想化により、他社のデータソースへの透過的なアクセスを提供し、社内外のあらゆるソースを活用した分析が可能になるとした。
また、筐体内でのスケールアウト/モデルアップに加えて、クラウドにワークロードをシームレスに移行することも可能で、拡張性の面でも優れているとした。
Integrated Analytics Systemは、米国では9月26日に発表予定だが、日本で先行して発表した形となった。トーマス氏は、日本はIBMにとって重要な市場であり、多くの企業にアナリティクスを提供してきたとしつつも、日本企業はHadoopや機械学習といった技術の採用は他国と比べて緩やかだとして、今こそがそうした新しい技術を取り入れる機会だと訴えた。
価格については、エントリー価格で100万ドルからになると説明。IBMの既存製品への追加や製品のリプレースのほか、製品としてはOracleとも互換性があり、Oracleで構築したシステムを簡単に移行できるとして、データベースへの投資を再検討する顧客に、代替案を示すことができるとした。