国内SD-WAN市場は5年後に100倍以上の規模へ、通信事業者間の顧客獲得競争活発化などで普及が加速？

　IDC Japan株式会社は7日、SD-WAN（Software-Defined Wide Area Network）市場予測を発表した。それによると、2016年の国内SD-WAN市場規模は約4億3000万円。2016年～2021年の年間平均成長率（CAGR）は159.0％で推移し、2021年の同市場規模は504億4000万円まで成長すると、同社では予測している。

　SD-WANとは、仮想化技術と冗長構成により、拠点WANの可用性やパフォーマンス、運用管理性を向上させるとともに、WAN関連のコスト削減を実現する技術。現在は、アーリーアダプター層の企業が関心を示し始めており、案件の多くはPoC（Proof of Concept：概念実証）段階ではあるが、本番環境として採用する企業も出始めているという。

　今後の成長については、ビジネスの変化にWANを迅速に対応させることへのニーズの高まり、またWANに接続される機器／クラウドサービスの増加によるIT部門の負担増加などが促進要因になると、IDC Japanでは分析している。さらに、通信事業者が提供するWANサービス市場で、新たなSD-WANサービスによる顧客獲得競争が活発化することも、普及が加速する一因になるとのこと

　一方で阻害要因としては、特に国内の中小拠点向けのWANソリューションでは、安価で成熟した製品／サービスがすでに数多く供給されており、これに対して現在のSD-WANソリューションは相対的に高価であることが挙げられている。ただし、こうした国内環境に対応するために、比較的安価なSD-WANソリューションの提供が増え始めているとした。

国内SD-WAN市場 ユーザー支出額予測：2016年～2021年（出典：IDC Japan）