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F5、「2017年版 アプリケーションデリバリの状況」の調査結果を発表

セキュリティへの懸念が普及の大きな要因に

 米F5 Networks(以下、F5)は、「2017年版 アプリケーションデリバリの状況(2017 State of Application Delivery)」の調査結果を発表した。調査では、セキュリティへの懸念がアプリケーションサービスを急速に普及させる大きな要因になっており、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)やDNSSEC、DDoS対策といったセキュリティ分野のアプリケーションサービスへのニーズが、クラウドシフトの加速によって拡大していることが明らかになったとしている。

 調査は今回で3年目で、F5の全世界の顧客2000人以上を対象に実施。回答者の業種は政府機関、金融サービス、IT産業、教育など、多岐に渡る。また、回答者の職種も、システム基盤、ITセキュリティ、アプリケーション開発、DevOpsに従事するエンジニアや管理者から、経営層までカバーしている。

 調査結果における注目点としては、アプリケーション展開において「セキュリティ」が最優先事項になっており、「巧妙化し続けている攻撃への対応」が最重要課題になっていることを挙げている。

 F5では、現在のセキュリティチームは、従来型のファイアウォールでネットワークの境界を守るといった取り組みだけではなく、アプリケーションを狙った攻撃の増加にも対応しようとしていると説明。グローバルで見ると、導入を計画しているセキュリティサービスのトップ3は、DNSSEC(25%)、DDoS対策(21%)、WAF(20%)で、「クラウドファースト」型の組織であると自認し、アプリケーションレベルの攻撃に対する防御に大きな自信を持っている企業では、すでにWAFが導入されているとしている。

 また、回答者の5分の4は「すでにハイブリッドクラウドを活用している」と回答。約3分の1(32%)が「年内にパブリッククラウドIaaSソリューションを採用する」と回答しており、2016年の25%に比べて大幅に上昇している。このことから、F5ではすでにマルチクラウドの時代が到来していると分析している。

 さらに、企業が展開するアプリケーション数が増えるほど、クラウド活用による運用メリットを享受したいというモチベーションが高まる傾向があると説明。例えば、最大数(3000以上)のアプリケーションを稼働させている回答者が、クラウドへと移行するアプリケーションの割合について、最も高い数値を回答しているという。

 企業や組織では平均で14のアプリケーションサービスを導入しており、前年調査の11に比べて増加。また、今後1年間に導入を計画しているアプリケーションサービスの数も、平均で17に上っており、アプリケーションサービスの導入数は増加を続けている。

 運用面では、アプリケーションサービスの増加とクラウド活用の拡大に伴い、複数の環境をカバーしたスケーラブルな運用を行うため、オートメーションやオーケストレーションに取り組む組織が増えていると説明。今回の調査では、半数以上の回答者が「APIを実装したインフラおよびテンプレートの重要性は高い」と回答しており、それぞれ前年の31%(インフラ)および22%(テンプレート)から上昇している。

 SDNに関しては、スケーラビリティ確保と運用コスト低減が、今回も利用目的のトップ2に挙げられている。また、「単一フレームワークに依存している」という回答は、前年の32%から39%に上昇しており、標準化を目指す傾向が強くなっていると考えられるとしている。