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「クリック10回未満で災害復旧可能」~ベリタスのDRソリューション最新版
2017年2月13日 06:00
ベリタステクノロジーズ合同会社(以下、ベリタス)は10日、災害対策ソリューションの最新版「Veritas Resiliency Platform(VRP) 2.1」を発表した。同バージョンより日本語OSおよび日本語ハイパーバイザー上での動作を保証しており、国内で本格的にVRPを展開する。
VRPは、ベリタスが提供する包括的なデータ管理ソリューション「360度データ管理」の一部で、オンプレミスからプライベートクラウド、さらにはパブリッククラウドまで、さまざまな環境でのデータ保護を担保し、データの可用性と可視性を実現する。VRPを活用することで、パブリッククラウドを活用した災害対策や、複数のアプリケーションや仮想マシンを組み合わせた復旧など、複雑な災害対策要件にも対応するという。
「IT環境は複雑化しているが、ヘテロジニアスな環境でデータ管理ができるのがベリタスの強みだ。クラウドはデジタル変革を加速させているが、そこにベリタスがデータ管理の要素を追加し、最適なクラウド活用を支援する」と、ベリタス テクノロジーセールス&サービス統括本部 セールスエンジニアリング本部 常務執行役員本部長の高井隆太氏は語る。
ベリタス テクノロジーセールス&サービス統括本部 インフォメーション・アベイラビリティ・アーキテクトの星野隆義氏は、「すべてのデータをバックアップしている企業でも、バックアップデータをリストアするのに必要な時間が把握できていなかったり、異なるタイミングでバックアップされたデータを組み合わせて業務が復旧できるかどうかわからないケースが多い。また、複数のアプリケーションの依存関係を考慮してサービスを復旧させることが可能な人材を確保することも困難だ」と指摘、こうした現状をVRPが解決するとしている。
VRPのターゲット層として星野氏は、DRaaS(ディザスタリカバリ・アズ・ア・サービス)を立ち上げたいクラウド事業者や、災害対策サイトを構築したいエンドユーザー企業を挙げる。
「クラウド事業者であれば、さまざまなOSや仮想化基盤を利用している顧客にDRソリューションを提案できるほか、DRaaSの提案から運用開始までのサイクルが短縮できる。エンドユーザーがVRPを利用するケースだと、災害対策サイトを構築する際、自社の災害対策センターはもちろん、クラウド事業者やAmazon Web Servicesなど、要件に応じて選択肢が広がる。また、異なるOSや仮想化基盤をVRPのみでカバーできるほか、複数のアプリケーションで構成されている業務も、有事の際に確実に災害対策サイトに切り替わる」と、星野氏は利用シーンを説明した。
具体的な導入の成果として星野氏は、過去にメインデータセンターに災害が発生した際、復旧まで3時間かかった企業が、VRP導入後には復旧までの時間が約1時間にまで短縮できた例を紹介。「午前3時に災害が発生し、全主要アプリをターゲットサイトにフェイルオーバーするよう指示が出た。3時15分にはオペレーションセンターにてVRP管理画面にログインし、1クリックで切り替えプランを発動。切り替え完了に必要な画面も1種類のみで、復旧までに必要なクリック数は10回未満だった」(星野氏)とした。
VRPは、すでに2月7日より提供開始している。価格は、ベース仮想アプライアンスが1仮想OSあたり5万2700円(1年間サブスクリプション、税別)で、オプションのデータ転送用アプライアンスは1GBあたり100円(同)となっている。
常務執行役員本部長の高井氏は、ベリタスが2015年に実施した調査から、「41%のデータは3年以上更新されておらず、12%のデータは7年以上更新されていない」と指摘。また、同年行った別の調査では、「ビジネス上重要なクリーンデータといわれるものは全データの14%に過ぎず、32%は重複していたり(Redundant)、古かったり(Obsolete)、価値のない(Trivial)ROTデータで、残り54%は価値が明らかになっていないダークデータである」との結果が出たという。「われわれはこうしたダークデータも含め、すべてのデータを管理している。中には消去する必要のあるデータが含まれているかもしれない。このようなデータ管理におけるリスクを解決していくのがベリタスだ」と高井氏は述べ、今後もデータに焦点を当てたアプローチを続けるとした。