ニュース

アプリケーション改変なしでWebシステム認証を強化、日本ヒューレット・パッカードの多要素認証製品「IceWall MFA」

 日本ヒューレット・パッカード株式会社は27日、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)によってWebシステムの認証を強化するソフトウェア「IceWall MFA Ver.4.0」(以下、IceWall MFA)を発表した。価格は190万円(税別)から。また今回は同時に、「認証技術開発センター」および「認証コンサルティング部」を、同社のテクノロジーコンサルティング事業統括内に開設する。

 IceWall MFAは、アプリケーションの改変をすることなく、既存Webシステムの多要素認証を実現するソフトウェア製品。Webシングルサインオン(SSO)ソリューション「IceWall SSO」の技術をベースに開発したもので、リモートアクセス、Webアプリケーション、FinTechなど、安全な認証が求められるシステムに対して容易に多要素認証を実装できるという。また、アプリケーションを改変する必要がないことから、クラウドサービス利用時の認証も強靱化できるとした。

 多要素認証の各要素としては、ワンタイムパスワード、FIDO、統合Windows認証、ブラウザトークンなどさまざまな方式の中から、要件に合致した認証方式を選択可能。OATHやFIDOなどに準拠した認証デバイスを利用できるほか、複数の認証方式の組み合わせや、個々のシステムごとに異なる認証方式の組み合わせも設定できる。

 さらに、標準機能が提供する認証方式に加えて、サードパーティ製の認証製品が提供する方式もサポートでき、指紋認証や虹彩認証をはじめ、多様な認証方式との連携に対応する。サードパーティ各社はプラグインを開発することにより、アプリケーション改変不要、複数の認証方式の組み合わせといった、IceWall MFAのメリットを活用可能だ。

 なお、プラグインを開発するためのインターフェイス仕様は近日公開される予定で、日本ヒューレット・パッカードでは、将来的に、指紋認証、虹彩認証、ICカード認証、マトリックス認証といった、数十種類以上の認証方式のサポートを目指す考え。

 また、新たに開設する技術者100名体制の「認証技術開発センター」および「認証コンサルティング部」は、認証に関して、汎用製品では対応できない企業固有の要求を満たすカスタムソフトウェアの開発や、各企業の用途に応じた専門性の高いインテグレーションを提供するとのこと。

 さらに日本ヒューレット・パッカードでは、FIDOに準拠した生体認証環境構築サービスの提供開始も発表している。