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国内通信事業者のネットワーク設備投資は減少、2016年は前年比7.8%減に~IDC Japan予測

 IDC Japan株式会社は12日、国内通信事業者のネットワーク設備投資市場における、2016年上半期の実績と、2016年~2020年の予測を発表した。それによると、2016年上半期の同市場は前年同期比18.1%減となり、2016年通年では、前年比7.8%減の9334億円と同社は予測している。

 現在、同市場をけん引している移動体通信事業者では、3Gサービス向け投資の縮小とLTEサービス向け投資の効率化に取り組んでいる。その結果、2016年上半期の無線基地局をはじめとする無線インフラ市場は、前年同期比28.7%減と大幅に減少。また国内のLTEサービスは、エリア人口カバー率が100%に近づいていることから、サービスエリア拡大よりも通信速度高速化を目的とした投資にシフトしていることもあって、国内無線インフラ市場は2018年以降に増加に転じるものの、緩やかな成長にとどまるとのこと。IDC Japanでは、国内無線インフラ市場の2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)は、マイナス2.4%と予測した。

 なお移動体通信事業者は、異業種の企業などと連携し、5G通信網を活用したサービスの実証実験を加速されているという。

 一方、ネットワーク機器ベンダーでは、ネットワーク設備事業に次ぐ収益事業として、製造業における工場設備監視などのIoT向け通信関連ソリューション開発に取り組んでいる。こうした状況について、IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの藤村成弘氏は、「こうしたベンダーがIoT向けの通信関連ソリューション事業を拡大するためには、製造業における業種別ソリューションパートナーとのエコシステム構築が重要」と分析している。

国内通信事業者ネットワーク設備投資市場予測、2015年~2020年(出典:IDC Japan)