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NTTデータ、スマートグラスを活用した遠隔作業支援システムの販売を開始

 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下、NTTデータ)とニューソン株式会社は17日、スマートグラスを活用した「遠隔作業支援システム」を共同で開発し、ニューソンから販売を開始した。

 NTTデータでは、2014年度からウェアラブルデバイスを活用するための研究開発の取り組みを開始し、顧客からの要望が大きかった、遠隔地における作業を支援するシステムの開発に着手。2015年には社内システムの運用・保守業務での利用を開始し、同時に保守・点検業務を持つ通信、電力、製造業界などにおける多くの企業との実証実験を行ってきた。

 取り組みの中では、現場利用者の声を反映させた機能を、ニューソンと共同で開発してきた。今回、現場作業での利用に必要な機能の開発が完了し、実証実験において現場作業での有効性が確認できたとして、遠隔作業支援システムの販売を開始する。

遠隔作業支援システムの概要

 遠隔作業支援システムでは、現場作業を単独で実施するために、作業に必要な情報(手順、マニュアル、作業動画)の提示や、作業結果のデータを取得する「単独作業支援機能」と、遠隔のベテラン技術者とコミュニケーションを取り作業を実施する「コミュニケーション作業支援機能」を提供。これらの機能により、現場作業の効率化と高品質化を実現できるとともに、作業者のスキルの早期の向上、作業者の負担軽減が可能になるとしている。

 現場でニーズの高い「映像共有機能」にとどまらず、作業手順の確認および進捗状況の記録と共有を可能とする「タスク管理機能」、作業の結果を写真・音声・映像で取得して共有する「証跡取得機能」、作業で必要となるマニュアルをハンズフリーにより閲覧する「マニュアル閲覧機能」など多数の機能を搭載。オフライン機能により、サーバーとの通信が不可能なネットワーク不達地帯でも、これらの機能が利用できる。オフライン状態で取得したデータは一旦スマートグラスに蓄積され、端末がネットワークに接続されたタイミングでサーバーに送信される。

 スマートグラスの操作インターフェイスについては、音声認識によるコマンド入力および頭の動きでポインターを制御する機能により、スマートグラスを直観的に操作できる機能を開発。通常は音声によりコマンド入力を行い、高騒音下では頭の動きにより操作するといったことが可能で、スマートグラスをスムーズかつ容易に利用できるとしている。

 また、多くの企業で実施した実証実験・試行導入の結果を元に、多くの機能改善・機能追加を実施。遠隔地から現場作業者端末のカメラを操作する機能(ズーム、シャッター)や、1対多で映像を共有するための映像転送機能、作業結果画像にコメントをつけて返信する機能などを追加した。

 今後、NTTデータでは遠隔作業支援システムに追加する付加価値機能の開発、既存顧客をベースとした顧客の発掘を、ニューソンではシステムの販売、保守、導入における構築支援および今後の機能追加を実施。両社が共同で、各種業界に向けた機能の追加や最適化、導入先企業の他業務システムとの連携、IoTシステムを構成する他技術(AI、ロボティクス、センサー)との連携を目指すとしている。