ニュース

Dell Technologiesがデジタルビジネスに関する意識調査を発表、78%の企業がデジタル新興企業を脅威に感じる

日本はデジタル成熟度が最も低いという結果に

 デル株式会社とEMCジャパン株式会社は25日、米Dell Technologiesが公開したデジタルビジネスに関する最新の意識調査「Digital Transformation Index」の結果を発表した。世界では78%、日本では74%の企業が、現在または将来において、デジタル分野の新興企業が自社にとっての脅威になると考えていると回答。調査した16カ国中、日本はデジタル成熟度が最も低いという結果になったという。

 調査は、市場調査会社のVanson Bourneに依頼して実施したもので、世界16カ国12業種の大規模・中規模企業のビジネスリーダー4000人が対象。

 調査結果からは、革新的企業はさらに前進している一方、他の企業は衰退が加速していると説明。世界では45%、日本では27%の企業が、デジタル時代に誕生した新興企業との競争により、今後3年から5年で自社が時代遅れになるのではないかという危機感を持っていると回答している。

 また、デジタルテクノロジーやIoEにより、過去3年間に業界の劇的な変化を経験したと回答したビジネスリーダーは、世界では52%、日本では33%、今後3年で自分の業界がどのように変化するのか予想できないとした企業は、世界・日本とも48%に上っている。

 企業のデジタルトランスフォーメーションへの取り組みについては、各社の進捗状況にはばらつきがあり、デジタルトランスフォーメーションをほぼ完了した企業はわずかに過ぎないと説明。調査では、「アジャイルなイノベーション」「新たな機会をピンポイントに予測」「透明性と信頼性を示す」「パーソナライズした固有のエクスペリエンスを提供」「常時オンラインでリアルタイムに稼動」の5つを、これからの10年で成功するために企業が採り入れなければならない重要なデジタルビジネスの属性としているが、これらを十分に実行している企業は、世界では約3分の1、日本では約5分の1にすぎないという。

 より高いセキュリティや、サービスおよび情報へのより迅速な24時間アクセスといった、顧客の最も高いニーズに応えることができない企業は約60%(日本は73%)に上り、約64%(日本は65%)が情報に基づいてリアルタイムに行動していないと認めている。一方で、デジタルトランスフォーメーションが、自社全体を通じてもっと普及していてもいいと考えている企業は73%(日本は62%)となっている。

 自社のデジタルトランスフォーメーションに対する評価では、最も高い「デジタルリーダー」に位置付けた企業は5%のみで、自社が後れをとっていると認識している企業がほぼ半数に上る。

 こうした環境の変化に対し、企業はデジタルトランスフォーメーションを進めるため、73%(日本は62%)が自社において一元化したテクノロジー戦略を優先事項にする必要があると認識、66%(日本は43%)がITインフラおよびデジタルスキルのリーダーシップへの投資を予定、72%(日本は51%)が自社のソフトウェア開発能力を拡張するなど、対応策の拡大を始めているという。

 今後3年間に予定しているIT投資としては、「コンバージドインフラ」「超ハイパフォーマンステクノロジー(フラッシュなど)」「アナリティクス、ビッグデータ、データ処理(データレイクなど)」「IoTテクノロジー」を挙げた企業が多い。

 さらに、3分の1から4分の1程度の企業が、デジタル損益計算書の作成(世界36%、日本18%)や、新興企業とのパートナー関係によるオープンイノベーションモデルの採用(世界35%、日本27%)、自社の一部を独立させた新しい企業の設立や吸収合併を通じた必要なスキルとイノベーションの取得(世界28%、日本26%)などの実施を挙げている。

 調査結果をもとにした、国ごとのデジタル成熟度では、日本は16カ国中最もデジタル成熟度が低いという結果となった。成熟度の高い上位3カ国は、インド、ブラジル、メキシコ。

 日本が世界と比較して、より顕著な違いを見せた点としては、変革へのプレッシャーという項目で、世界の62%が新たな競合企業が登場したと回答した質問に対し、日本の回答はその約半分の32%だった。

 また、「デジタル分野の新興企業の登場によって、今後3年から5年で自社が時代遅れになるのではないかという危機感」を抱いていると回答した企業も、日本は16カ国中最も低い27%で、「ITインフラおよびデジタルスキルのリーダーシップへの投資を予定している」と回答した企業も、16カ国中で唯一半数に満たない(43%)結果となった。このことから、日本のデジタル成熟度が低い現状が明らかになったと同時に、世界の現状を見ると、今後デジタル変革の必要性がより高まっていくことが予想されるとしている。