ニュース

グレープシティ、ExcelライクなHTML5表計算ウィジェット「SpreadJS 9J」を強化

軽量化・高速化や使い勝手の向上などを実現

 グレープシティ株式会社は27日、Webブラウザ上でExcelライクなユーザーインターフェイススを実現するHTML5 スプレッドシートウィジェット「SpreadJS 9J」のリファクタリング版を、同日より提供開始すると発表した。

 「SpreadJS 9J」は、Webブラウザ上ででExcelライクなユーザーインターフェイススを実現するための製品。以前販売していたJavaScript用スイート「Wijmo Enterprise(ウィジモ エンタープライズ)」の収録ウィジェットとして提供しているSpreadJS、および連携して利用するSpreadJSデザイナとExcelIOサービスを1つにまとめて提供していた。

 今回のリファクタリング版では、製品の開発コードを全面的に改良し、これまで約800KBあったコアモジュールを約400KBまで軽量化した。プラグインのファイルサイズに上限を設けているサイボウズの業務アプリクラウド「kintone」へのアップロードも可能で、SpreadJSを各種サービスと連携利用することにより、標準機能では実現できないリッチな機能やビジュアルをプラスできるという。

 また、これまでのSpreadJSではjQueryの参照が必須だったが、今回のリファクタリングではjQueryへの依存関係がない、純粋なJavaScriptライブラリに変更された。余分な読み込みをしなくてよくなったため、より高速な処理が可能になっている。

 さらに、設計の見直しにより類似の設定を行う複数のメソッドがひとつに統合されたことで、APIがよりシンプルに使いやすくなった点もメリット。一部の設定ではECMAScript 5でみられるようなプロパティの利用が可能になったため、わかりやすく可読性の高いコードを記述できるとしている。

 このほか、これまでのExcelIOサービスに代わり、「クライアントサイドExcelIO」と「ExcelIOコンポーネント」の2種類のExcel入出力機能を提供する。クライアントサイドExcelIOは、クライアントサイドのWebブラウザで描画処理を行うもので、各種クラウドサービス規約やシステム開発要件により、外部サーバーとの通信に制限がある場合でも、クローズドな環境でExcel入出力機能を利用できる。

 一方のExcelIOコンポーネントはサーバーサイドのExcel入出力用dllライブラリとして提供され、Visual Studioでのカスタマイズ開発が可能なため、ユーザーの要望に合わせた入出力機能を実装可能という。

 機能面では、専用APIによるシートの印刷機能を提供。ブラウザでの画面印刷では見切れていたシート全体の印刷などが可能になる。さらに、テーブル作成時に利用できるスライサー機能が追加され、ドロップダウンリストを開いて抽出するアイテムを探すよりも、素早くフィルター処理を行えるようになった。

 価格は、1開発ライセンスが12万円(税別)。なお、リファクタリング版は「SpreadJS 9J」のサービスパックとしての位置付けになるため、すでにライセンスを所有しているユーザーは無償でダウンロードできる。