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日本ヒューレット・パッカード、Moonshotのリモートデスクトップ向け新サーバーモジュール

CADなどエントリーワークステーションレベルの作業が可能に

 日本ヒューレット・パッカード株式会社は21日、超高密度サーバー「HPE Moonshot System」(以下、Moonshot)の新サーバーモジュール「HPE ProLiant m710xサーバーカートリッジ」(以下、m710x)と、「同 m510サーバーカートリッジ」(以下、m510)を発表した。

 Moonshotは、米HPが「Project Moonshot」として開発を進めてきた超高密度型サーバー。4.3Uサイズの筐体「HP Moonshot 1500シャーシ」に、45台のサーバーモジュールと2台のスイッチモジュールを搭載でき、従来のラック型サーバーやブレードサーバーと比べても、非常に高密度のサーバーシステムを構築できる。

 2013年4月に第1弾が発表されて以降、テクノロジーの進歩に合わせて新たなサーバーモジュールをラインアップに追加してきたが、今回もインテルの最新プロセッサを搭載した2つのサーバーモジュールを提供する。

 1つ目の「m710x」は、仮想化技術を用いず、1人が1つの物理リソースを専有するクライアント環境の統合ソリューション「HDI(Hosted Desktop Infrastructure)」用のサーバーモジュールだ。

HPE ProLiant m710xサーバーカートリッジ

 サーバー製品統括本部 サーバー製品本部の中井大士本部長によれば、クライアント環境を統合しようとしても、仮想環境を用いてクライアントを統合するVDIのような手法ではでは、性能が不足する、アプリケーションの互換性に問題がある、といった理由で導入できない場合がある。

 そこで、仮想化を使わないHDIを選択しようとするケースが増えているものの、これまでのラインアップでは、グラフィクス性能の不足などによって採用に至らないケースもあったという。

サーバー製品統括本部 サーバー製品本部の中井大士本部長

 これに対して「m710x」はXeon E3-1585L v5(3.0GHz、4コア)を搭載し、これまでよりも高性能なオンチップのGPU「Intel Iris Pro Graphics P580」が利用できるため、エントリーCAD、建築、金融といった、エントリークラスのワークステーションが使われている用途でも十分に利用可能。

 「これまでHDIでは対応できなかった領域をカバーできる。また、アプリケーション仮想化(SBC)でWebブラウザだけを仮想化する、といった用途に適用すれば、これまで以上のユーザーを収納可能だ」(HPEサーバー製品統括本部 サーバー製品本部 スケールアウト・サーバー製品部の阿部敬則氏)とした。

 価格は46万7000円(税別)から。

m710xによる利用シーンの拡大
HDIの適用範囲を広げるという

 一方の「m510」は、ビッグデータ解析などで利用する1ノードのサーバーモジュール。Xeon D-1548(2.0GHz、8コア)あるいはXeon D-1587(1.7GHz、16コア)、最大128GBメモリを搭載でき、前世代の「m710p」と比べて最大155%の性能を発揮するという。

 価格は54万円(税別)から。

 なお新モジュールはいずれも、日本ヒューレット・パッカードのx86サーバーに搭載されている監視機能「iLO4(HP Integrated Lights-Out) マネジメントエンジン」を、Moonshotのサーバーモジュールとしては初めて搭載。一般的なサーバーと同じような管理を行えるようになった。

HPE ProLiant m510サーバーカートリッジ