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ネットワン、物理サーバーを統合する医療機関向け仮想基盤パッケージ

医療機関・医療情報システムベンダー向けの検証センターも開設

 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は12日、自社での導入実績を基に設計した医療機関向けの仮想基盤パッケージ「Artery(アーテリィー)」を発表した。同日より販売を開始する。

 Arteryは、ネットワンが豊富な導入実績を持つコンバージドインフラ「EMC VSPEX」や「VCE VxRail Appliance」をベースに、高い耐障害性と運用性を提供する、医療機関向けの仮想基盤パッケージ。現在の医療機関では、病院情報システム(HIS)や放射線科情報システム(RIS)、医療用画像管理システム(PACS)など個別のシステムごとにサーバー、ストレージ、ネットワークなどを導入・運用しているケースが多くみられるが、Arteryを利用することにより、既存の物理サーバー群を集約し、コスト・運用負荷・設置スペースを削減することが可能という。

 また耐障害性の強化では、重要なシステムにおいてvSphere HA(High Availability)機能を活用することにより、障害時でも自動的にシステムの再起動を行えるほか、物理サーバーのメンテナンスに伴う計画停止時には、仮想マシンを一時的にほかの物理サーバーに移動させ、継続したシステム稼働を実現するとした。

 運用については、ネットワンが遠隔地から支援することで、専任の運用担当者がいない医療機関の負荷を軽減。障害発生時には、従来の物理環境では医療機関側が障害検知・切り分けおよび各システムベンダーへの連絡を行う必要があったが、Arteryではネットワンが仮想基盤全体の監視と障害対応を一元化しているため、障害検知から復旧まで迅速な対応を可能にしているとのこと。

 ラインアップとしては、医療機関のシステム規模に応じた3タイプのパッケージを用意した。仮想マシン台数40台までの「Entry」は、EMC VSPEXあるいはVCE VxRail Applianceがベース。同80台までの「Standard」と同120台までの「Adcanced」はEMC VSPEXをベースに構成される。参考価格は、Entryの最小構成(5年保守サービスを含む)で1億1500万円(税別)から。ネットワンでは、初年度5億円の売上を目標としている。

 なお今回は同時に、医療機関向けの仮想基盤ソリューションデモ機能と、医療情報システムベンダー向けの仮想基盤上でのシステム稼働検証機能を提供する、「NetOne Healthcare Innovation Center」を開設する。

 具体的には、医療機関向けのデモでは、サーバー集約によるコスト削減やvSphere HA機能による障害時のシステム継続性向上、そしてVMware vSphere with Operations Managementによる仮想環境全体の可視化などを確認可能。医療情報システムベンダー側は、ネットワンシステムズが用意した仮想基盤上に取り扱いシステムを構築し、仮想環境での稼働検証、CPU/メモリ/ディスクなどのリソース消費状況の検証、各種システム機能の検証、vSphere HA機能を用いた際の切り替わり時間の計測、そして、切り替わり後の稼働の正常性などを検証できるとしている。