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日立のフラッシュストレージ、ゆうちょ銀行の情報系システムで稼働開始

 株式会社日立製作所(以下、日立)は6日、同社のフラッシュストレージが、株式会社ゆうちょ銀行で利用する情報系システムに導入され、稼働を開始したと発表した。これにより、ゆうちょ銀行ではシステムの処理性能が大幅に向上し、データの読み出し時間を平均で従来の2分の1以下に短縮するなど、業務効率のさらなる向上を図ることが可能になったとしている。

 ゆうちょ銀行では、多様化する顧客のニーズや新商品やサービスの拡充、新しい法制度への対応などに伴い、データの処理件数が増加し、システムへの負荷が増加傾向にあった。システム負荷の増加への対処としては、システム上のアプリケーションを修正する方法が一般的だが、多大な時間と工数がかかるため、短期間で効率的にシステム性能を改善する方法が求められていた。

 今回、ゆうちょ銀行では日立のフラッシュストレージを導入したことで、情報系システム上のアプリケーションを修正することなく、システム処理性能の向上を実現した。さまざまなデータについて、利用頻度に基づいた優先順位付けを行い、優先度の高いデータを既存のHDDからフラッシュストレージに移行したことで、導入・運用コストの抑制も実現した。

 採用されたフラッシュストレージは、ストレージシステム「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) G1000」に、フラッシュモジュール「Hitachi Accelerated Flash(HAF)」を搭載したもの。高いデータアクセス性能によるデータベースの高速処理化と高信頼性を実現し、大量のデータの迅速な活用を可能にする。

 また、導入にあたっては、日立のデータベース高速化ソリューション「Flash Solution for Oracle」を活用。情報系システムで利用しているOracleデータベースにおけるHAFの導入効果に関する机上シミュレーションを実施したほか、日立のテスト環境を使用して導入効果の実機検証を行うことで、性能改善効果の高いシステムを短期間で導入した。

 日立では、今後も、今回のシステムインテグレーションサービスをはじめ長年培ってきたノウハウを活用し、多様化する金融機関のニーズに柔軟に対応したシステムソリューションを総合的に提供し、金融機関におけるサービス品質の向上や業務の効率化などを支援していくとしている。