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EMCジャパン、コンバージド・インフラ製品「VCE Vblock 350シリーズ」を本格展開

 EMCジャパンは21日、プレス向けにコンバージド・インフラ製品に関する技術説明会を開催。中規模から大規模のプライベートクラウド基盤に向けたコンバージドインフラ製品「VCE Vblock 350シリーズ」の国内展開を本格的に開始すると発表した。

 現在Vblockには5つのモデルが存在しており、Vblock 350シリーズはミッドレンジの製品という位置づけだ。Vblock 350シリーズはオールフラッシュも可能なハイブリッドのストレージ「EMC Unity」を搭載し、コンピュートとネットワークはシスコ、仮想化プラットフォームにVMwareの製品で構成されている。

 ハイエンドモデルである「Vblock 540」および「Vblock 740」と同じネットワークとサーバー構成を持ち、ストレージに比較的安価なUnityを採用することで、コストを重視しつつも、ハイエンドと同等の機能を享受できる製品となっている。

VCE Vblockシリーズ

 EMCジャパン VCEテクノロジー・ソリューションズ vアーキテクト 陳錦生氏はVblock 350について、「コンピュート、ネットワークのアーキテクチャは、ストレージにXtremIOを搭載したVblock 540や、VMAXを搭載したVblock 740と同じだが、搭載するストレージがUnityになったことでコストパフォーマンスの高い製品となっている。また、既存のVblockでもUnityを利用できる」と述べた。

EMCジャパン VCEテクノロジー・ソリューションズ vアーキテクトの陳錦生氏
Vblock 350シリーズはミッドレンジに位置づけられる

 EMCジャパン VCEテクノロジー・ソリューションズ vアーキテクト シニアマネージャーの三邉祥一氏は、同社のコンバージドインフラストラクチャについて、「必要とされる要件に応じて提供方法は変化する。たとえば料理であればコース料理を提供するのか、宴会場などで大勢に効率よく料理を提供するのか、ファストフードのように早く安く便利に提供するのかによって提供方法が異なる。これらの異なる要件に対応するため、ポートフォリオが重要になる」と述べた。

 今回の発表はVblock 350が中心となったが、同社が展開するポートフォリオはVblock以外にも、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの「VCE VxRack」、アプライアンスとして提供される「VCE VxRail」がある。三邉氏はそれぞれを先程の料理の例に置き換えて、コース料理のVblock、宴会場の料理のVxRack、ファストフードのVCE VxRailと説明した。

EMCジャパン VCEテクノロジー・ソリューションズ vアーキテクト シニアマネージャーの三邉祥一氏
VCEのポートフォリオ

 また、三邉氏はのストレージの市場について、「これからストレージ市場フラッシュのストレージが中心となってくる。様々な技術革新によって、信頼性の高いフラッシュストレージがこれまでのHDDよりもコストで下回ってくる。これまでコストをこれまでコストを理由に導入を見合わせてきたお客様も、フラッシュストレージを導入するようになるだろう。VCEはポートフォリオでお客様のニーズに応える」と述べた。

 VCEは、2009年にシスコ、EMC、VMwareの3社によって、コンバージドインフラストラクチャ製品を提供するために合弁で設立した企業だ。2014年にEMC傘下となったが、3社の協業体制は継続しており、各社の製品ロードマップに合わせ、それぞれをどのように組み合わせていくかをエンジニアチームが協力して検討/検証していくという。

 なお、Vblock 350は5月にディストリビュータやソリューションパートナー経由での販売が開始しており、EMCは今後ますます国内への本格展開を進めていくことになる。なお、価格は個別見積もり。