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ITpro EXPO 2015レポート、AWSやニフティ、サイボウズ、バラクーダなどの最新ソリューションが展示

Cloud DaysやビッグデータEXPOも

ITpro EXPO 2015

 日経BP社が主催するイベント「ITpro EXPO 2015」が、9月30日に開幕した。東京ビッグサイトで10月2日まで開催されている。

 ITpro EXPO 2015の名称のもと、ほか「Cloud Days 2015」「ビッグデータEXPO 2015」「セキュリティ&ガバナンス 2015」「モバイル&ウエアラブル 2015」「IoT Japan 2015」「FACTORY 2015」「デジタルヘルスDAYS」と合わせて8つのイベントからなる。「eドキュメントJAPAN 2015」も同時開催。

 ここでは、展示会の中からITpro EXPO 2015とCloud Days 2015を中心にブースの模様をレポートする。

ニフティクラウドのIoTサポートの展示、DPZの作品も

 ニフティのブースでは、ニフティクラウドについて展示。特に、IaaSのサービスを中心にしつつも、IoTやモバイルのサービスに関する展示を前面に出していた。

 IoTに関して展示されていたサービスは2種類。一つは、IoTを支えるニフティクラウド自身や、MQTTプロトコルのサポート、MBaaSサービスmobile backend、PaaSサービスC4SAなどのプラットフォームだ。もう一つは、組み込み機器ベンダーを主な対象に、IoT化を支援するコンサルティングのようなサービス「IoTデザインセンター」だ。

 IoTのコーナーではもう一つ、人気サイト「デイリーポータルZ」による「IoT肩たたき」が展示されていた。Raspberry Piを使ってインターネットとニフティクラウド経由で肩たたき機のスイッチを入れるという脱力アイテムだ。なお、この装置は、ITpro EXPOを開催している日経BP社の「みんなのラズパイコンテスト2015」で、「KSY賞」を受賞した。

ニフティクラウドによるIoTサポートや、IoTデザインセンター、MBaaSサービスmobile backendを展示
IaaSサービスの展示。9月に発表した北米リージョンや、8月に開始した定時処理機能「ニフティクラウド タイマー」なども紹介
「デイリーポータルZ」による「IoT肩たたき」。「みんなのラズパイコンテスト2015」で「KSY賞」を受賞した

バラクーダネットワークス、マイナンバーに向けたネットワークセキュリティ

 ITpro EXPO 2015では、「セキュリティ&ガバナンス 2015」が設けられていたこともあってか、マイナンバー対応をうたう展示がいくつか見られた。

 バラクーダネットワークスのブースでは、ネットワークセキュリティ製品やストレージソリューションを展示。その中で、各展示にマイナンバーのキャラクター「マイちゃん」の絵を添え、企業のセキュリティ対策を訴えていた。

バラクーダネットワークスのWAF(Web Application Firewall)と次世代ファイアウォールの展示。次世代ファイアウォールを標的型攻撃の出口対策として紹介
バラクーダネットワークスのURLフィルターとメールフィルタリング
バラクーダネットワークスのVPNとADC
バラクーダネットワークスのストレージソリューション。バックアップやメールアーカイブなど

AWSとパートナー各社の展示

 Amazon Web Services(AWS、アマゾンデータサービスジャパン)のブースでは、AWS自身のコーナーのほか、パートナー各社が自社のサービスや製品を展示していた。AWSはさまざまなイベントで同様の展示をしているが、今回は特にネットワーク関連のサービスや製品が目立った。

AWS自身のコーナー。質問を受けつける「Ask the Expert」など
日本セーフネット。クラウド型ワンタイムパスワード認証や、鍵管理など
パロアルトネットワークス。次世代ファイアウォールのクラウド上の仮想アプライアンスなど
ネットアップ。S3/GlacierにCIFSやNFSでアクセスしてバックアップに使うNetApp AltaVaultや、AWSにストレージサーバーを置くNetApp Private Storageなど
Coltテクノロジーサービス(旧KVH)。企業とクラウドをイーサネット網で接続するetherXEN
TOKAIコミュニケーションズ。AWS Direct Connectの一時利用サービスや、AWS利用支援ソリューション
ユニアデックス。WAN最適化のRiverbed SteelHeadや、そのクラウド版のRiverbed Cloud SteelHead
ブレインズテクノロジー。機械学習による異常検知を備えたログ収集監視サービスGrasperや、ログ分析ミドルウェアImpluse
ソネット。マルチクラウド運用サービス「マネージドクラウド」など
Skeed。インターネット上を高速転送する「SilverBullet for Enterprise」や、クララオンラインと協業した日中間データ転送など
クレスコ。インターネット上を高速転送する「Internet Folder Express」や、それを使ったバックアップ・災害対策など
キヤノンITソリューションズ。クラウド移行やハイブリッドクラウドなど
富士ゼロックス。文書管理システムDocuShare/ArcSuite Engineeringのクラウドホスティングや、社内のクラウド化など
NTTソフトウェア。BIツール「YellowFin」等をAWS上でサービスする「InfoCabina」
野村総合研究所(NRI)。運用基盤サービスmPLATなど
ナレッジコミュニケーションズ。ビッグデータ解析やロボットなど
スカイアーチネットワークス。クラウドインテグレーションの紹介や、缶詰「サバ缶」など
サーバーワークス。クラウドインテグレーションの紹介
i.e.sea。クラウドインテグレーションの匠CLODや、IoTなど
スターティア。AWS上のホステッドプライベートクラウドなど

HP、サーバーからストレージ、無線LAN製品まで

 日本ヒューレット・パッカードのブースでは、サーバーからストレージ製品、無線LAN製品まで、データセンター関連のさまざまな製品やサービスを展示していた。なお、筆者がブースを通りがかった時には、自動化サービスDC-IAに関連して、Chef社のMichael Ducy氏がミニセミナーを行っていた。

ストレージを2列で内蔵するビッグデータ向けサーバー「Apollo 4200」
Superdome Xによるミッションクリティカル・インメモリ基盤
サーバーノードを45台まで格納するMoonshot。VDIのかわりに物理ノードを利用できる
3PAR StoreServのオールフラッシュストレージ
バックアップシステムStoreOnce Backup
ハイパーコンバージドインフラのConvergedSystem 250-HC
HPが買収したArubaの無線LAN製品。802.11ac wave2対応のAruba AP-320シリーズや、無線LANコントローラーなど
FeliCaで開閉するラックの電子錠。開閉記録や自動ロック、リモートの開閉などに対応
DC-IA with Chefサービスに関連してChef社のMichael Ducy氏がミニセミナー

NTTファシリティーズ、電源や空調の設備を展示

 NTTファシリティーズのブースでは、データセンター用の電源や空調などの設備を展示していた。

 電源供給無瞬断切替サービスは、システムを止めずにUPSを入れ替えるもの。既存UPSと新設UPSとを無瞬断切替装置につなぎ、UPSの出力波形を同期させて、同期が合った瞬間に切り替えるという。

 RESCUE POWERは、計画停電の時やイベントなどのために、電源車から電力を供給するサービス。1,000・500・150kVAの3種類の車両がある。

 そのほか、水冷空調機「CyberAir 3」や、スマート空調制御システム「Smart DASH」、冷水利用統合空調制御システム「United Cooling」、高電圧直流(HVDC)給電システムが展示されていた。

システムを止めずにUPSを入れ替える電源供給無瞬断切替サービス
イベントの時などに電源車から電力を供給するRESCUE POWER
水冷空調機「CyberAir 3」
スマート空調制御システム「Smart DASH」と冷水利用統合空調制御システム「United Cooling」
高電圧直流(HVDC)給電システム
NTTファシリティーズのCMキャラ「エコロじい」

サイボウズ、kintoneとPepperの連係などをデモ

 サイボウズのブースは「サイボウズカフェ」と題し、カフェ風の装飾で、グループウェア「サイボウズOffice 10」や、大企業向けグループウェア「サイボウズGaroon」、業務アプリケーション開発プラットフォーム「kintone」などを紹介していた。

 中でも、kintoneによるアプリケーション開発のサンプルとして、ロボットの「Pepper」によるデモが行われていた。

 kintoneでは、使う側と開発する側が、必要な項目などを対面で話しながらその場でアプリケーションを作る“ファストSI”をうたっている。展示では、開発者のかわりにPepperが質問を出し、それに答えていくことで、典型的な業務アプリケーションをその場で作ってみせていた。

 また、逆にkintoneによるアプリケーション上で必要事項を選んでいくことでPepperをプログラミングするM-SOLUTIONS社の「Smart at robo for Pepper」もデモされていた。

カフェ風に作られたサイボウズのブース
Pepperと対話してkintoneアプリケーションをその場で作るデモ
kintoneアプリケーションからPepperをプログラミングする「Smart at robo for Pepper」
ジョイゾー社のkintone作成サービス。プロジェクト管理ツールBacklogとの組み合わせや、kintoneアプリケーションのデプロイツール「SANZO」など

各社の製品やサービスが展示

 そのほか、各社が製品やサービスを展示していた。

 シャチハタとBoxのブースでは、Boxのオンラインストレージと、シャチハタの電子印鑑システムや決済などのワークフローシステムを組み合わせたソリューションを展示していた。

シャチハタとBoxのブース。オンラインストレージと、電子印鑑システムやワークフローシステムの組み合わせ

 AWSのブースにも出展していたユニアデックスは自社ブースも出展。WAN最適化のRiverbed SteelHeadやS3/GlacierにCIFSやNFSでアクセスするNetApp AltaVaultのほか、クラウドサービスや、マルチクラウド管理サービス、シングルサイオン製品、ユニファイドコミュニケーション、SDN製品などを展示していた。

ユニアデックスのクラウドサービスU-Cloud
マルチクラウド管理サービスVistara
WAN最適化のRiverbed SteelHeadやS3/GlacierにCIFSやNFSでアクセスするNetApp AltaVault
マルチドメイン対応のシングルサインオンPingFederate
Cisco CMR CloudやSkype for Businessによるユニファイドコミュニケーション
SDN製品。Big SwitchのBig Cloud FabricとCiscoのACI(左)、および中央管理で仮想CPEを実現するNuage VPS(右)
Nuage VPSを搭載した小型アプライアンス
Big Cloud Fabricを搭載したスイッチとサーバー

 ヤマハのブースでは、スピーカーフォンを中心に展示。10月1日から販売開始となる新製品「YVC-300」(PJP-20URの後継製品)を見せていた。また、L2スイッチ製品「SWX2300」も展示していた。

ヤマハのスピーカーフォンの新製品「YVC-300」
ヤマハの各種スピーカーフォン製品
ヤマハのスイッチ製品「SWX2300」

 日本マイクロソフトのブースでは、タブレットPCのSurfaceシリーズを中心に、84インチの大型端末Surface Hubや、Windows 10が展示されていた。

Surface Pro 3やSurface 3の展示
84インチの大型端末Surface Hubの実機
富士通、NEC、東芝のWindows 10マシン

 Evernoteもブースを展示。サービスの紹介のほか、関連グッズを展示していた。

Evernoteブース
Evernote関連グッズ

 Quanta Computerのブースでは、OCP(Open Compute Project)仕様によるサーバーやネットワーク製品を展示していた。

Quanta Computerのブース。OCP仕様のサーバーやネットワーク製品

高橋 正和