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【Cloud Days】IBM、MS、NEC、NTT Com、AWS、レッドハットなどが最新クラウドソリューションを展示

 日経BP社が主催するイベント「Cloud Days 東京 2014 Spring」が2月26日から27日までホテルニューオータニで開催された。「ビッグデータEXPO 東京 2014」「Security 2014 東京」「スマートフォン&タブレット 2014 東京」も併設され、さまざまなセッションや展示会が開かれた。

 ここでは、Cloud Days 東京 2014 Springの展示会の模様をレポートする。

「Cloud Days 東京 2014 Spring」展示会場

IBM、SoftLayerを核にパブリックからプライベートまでのクラウドソリューション

 IBMのブースでは、パブリッククラウドサービス「SoftLayer」を中心に、プライベートクラウドの構築や運用を支援する製品とサービス、ハイブリッドクラウドの構築支援など、パブリッククラウドからプライベートクラウドまでの一連のソリューションを体系づけて展示していた。

 パブリッククラウドサービス「SoftLayer」は、2013年にIBMが買収したもので、同社のクラウドサービス強化の礎に据えてきている。世界で13のデータセンターと17のネットワーク接続拠点を冗長化された10G専用線で結ぶ。年内には日本を含めデータセンターを40に増設するという。物理サーバーも仮想サーバーと同じようにカスタマーポータルで操作でき、仮想サーバーから物理サーバーへのワークロードの移行にも対応している。

 一方、プライベートクラウドアプライアンスの「Pure Application System」と、プライベートクラウドの構築と運用を自動化しテンプレートからドラッグ&ドロップで作ってプロビジョニングできる「SmarterCloud Orchestrator」も展示。それをIBM社内に適用した「IBM CloudSHowcase」も紹介している。

 さらに、その両者をあわせたハイブリッドクラウドを構築するための「プライベートクラウド構築支援サービス」(2月発表)も展示。「SmarterCloud Orchestrator」を中心に、段階別にクラウド構築を支援する。

IBMのパブリッククラウドサービス「SoftLayer」の展示
プライベートクラウドアプライアンスの「Pure Application System」と、プライベートクラウドの構築と運用を自動化する「SmarterCloud Orchestrator」
ハイブリッドクラウドを構築するための「プライベートクラウド構築支援サービス」
クラウドを使ってオンプレミスのシステムのBCP(事業継続)やリモートデータ保護を実現するサービスも展示

日本マイクロソフトとAmazon Web Servicesはパートナーソリューションを中心に展示

 日本マイクロソフトのブースでは、Windows Azureパートナーの各企業のソリューションを中心に展示していた。

Windows Azure導入設計・運用・監視・支払い代行などのサービス「cloud.config」を提供するFIXERの展示。日本データセンター開設記念で、Windows Azureの各データセンター間と、現在地から各データセンターの間の応答速度を測定する「Azure Speed Grand Prix World Tour」をデモしていた
Windows Azureインテグレーションサービスのシステムコンサルタントの展示。キンコーズやムビチケ、トッパン・フォームズなどの事例を紹介していた
東洋ビジネスエンジニアリングの展示。クラウド型コラボレーションツール「Business b-ridge」の上で動く、チームマネージメントなどのアプリケーションを紹介
ウイングアークの展示。UDPベースの独自プロトコルによりインターネット上でデータを高速に転送する「CLOUD TRANSPORTER」と、クラウド上の帳票システムから社内のプリンタに出力する「SVF Cloud Print System」(参考出展)
Windows Azure導入支援サービスやCMSパッケージを提供するネクストスケープの展示
ISAOの展示。ソーシャルゲーム会社向けに、クラウドの構築運用を支援する
日本ビジネスシステムズの展示。System Centerによる管理のサポートサービスや、Yammerの紹介など
大塚商会の展示。Windows Azure導入支援サービスや、Office 365のサポートサービス「たよれるOffice 365」など
富士通のファイル保管・共有サービス「FUJITSU Cloudクラウドファイルサーバー」。ユーザー側でID数や容量を変更できる
Windows AzureにつながるNASの紹介。マイクロソフトのStorSimpleと、バッファローの「テラステーション」、QNAPの「TurboNAS」が並んでいる
日本マイクロソフト自身の展示。System Center、Windows Server 2012R2、SQL Server、Dynamics、Office 365が紹介されていた

 Amazon Web Servicesも、パートナー企業各社のソリューションを中心に展示していた。

アイレット(「cloudpack」サービス)の展示
SAPジャパンの展示
ゴーガの展示
ブロードバンドタワーの展示
サーバーワークスの展示
伊藤忠テクノソリューションズの展示
トレンドマイクロの展示
ナレッジコミュニケーションの展示
Amazon Web Services自身の展示

4月から提供を開始する「NEC Cloud IaaS」

 NECのブースでは、4月から提供を開始する「NEC Cloud IaaS」と、そのための新しい「神奈川データセンター」について展示していた。低コストな「STD」と、基幹業務向けの「HA」の2種類を用意する。STDでは、ソフトウェアプラットフォームにOpenStackを採用。1シャーシに44台、1ラックに16シャーシで、合計で1ラック704台を収容できる専用サーバーや、気化熱を利用した相変化冷却技術などを採用し、従来比でコストを60%削減したという。

 また、ほかのクラウドサービスやオンプレミスのリソースも一緒に管理できるセルフポータルを用意。統合運用サービスのアウトソースにも対応する。10月には物理サーバーのサービス、2015年4月には専用筐体サービスを予定。2014年下期には、同じシステムのオンプレミス向け販売も予定しているという。

NECのブース
NEC Cloud IaaS専用の高集積サーバー。1ラックに700以上のサーバーを収容する
気化熱を利用した相変化冷却技術
NEC Cloud IaaSのセルフポータル。ほかのクラウドやオンプレミスのリソースもあわせて操作できる

NTTコミュニケーションズ、クラウド型電話交換機サービス3種

 NTTコミュニケーションのブースでは、パブリッククラウドサービス「Cloudn」と、3種類のクラウド型電話交換機サービスを展示していた。「Arcstar Smart PBX(仮称)」は、さまざまなデバイスに対応。スマートフォンに専用アプリをインストールして内線電話にし、外出先でも内線として使える。アプリからはWeb電話帳も直接呼び出せる。

 また、「Arcstar UCaaS」は、電話のほかにプレゼンス情報やインターネットメッセージなどのユニファイドコミュニケーションの機能を統合したサービス。「Arcstar Contact Center(仮称)」は、コールセンター向けのクラウド型電話交換機サービス(4月リリース予定)。

クラウド型交換機サービス「Arcstar Smart PBX(仮称)」。スマートフォンを外出先でも内線電話として使える
クラウド型交換機サービス「Arcstar UCaaS」。ユニファイドコミュニケーションの機能を統合
コールセンター向けのクラウド型電話交換機サービス「Arcstar Contact Center(仮称)」
パブリッククラウドサービス「Cloudn

各社のソリューションが展示

 Citrixのブースでは、XenDesktop、XenApp、XenMobile、Citrix Receiverといった、仮想デスクトップ関連の製品群を中心に展示していた。NVIDIAと共同開発したvGPU(仮想化GPU)もデモしていた。

Citrixのブース。仮想デスクトップ関連の製品群を中心に展示

 VMwareのブースでは、「Software-Defined Enterprise」をキーワードに、vSphereやVSCAN、vCenter Operations Management Suite、Horizon Mirage、Horizon Viewなどを紹介していた。

VMwareのブース。「Software-Defined Enterprise」がキーワード

 EMCのブースでは、EMCビジネスパートナーやSoftware defined Storage、フラッシュストレージ、バックアップソリューション、ISILONについて展示していた。

EMCのブース

 salesforce.comのブースでは、ミニセミナーを中心に同社のソリューションを紹介していた。

salesforce.comのブース

 レッドハットのブースでは、「Red Hat Cloud Infrastructure」について展示していた。サーバー仮想化製品「Red Hat Enterprise Virtualization」と、商用OpenStackディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」、クラウド管理ツール「CloudFront」を組み合わせた製品。

レッドハットのブース。「Red Hat Cloud Infrastructure」について展示

 フュージョンアイオーのブースでは、同社の超高速フラッシュストレージ製品を展示。「スター・トレック イントゥ・ダークネス」などの映画制作において、ワークステーションで「ioDrive FX 1.6T」が採用されている事例なども紹介していた。

フュージョンアイオーのブース
映画制作のワークステーションで採用されえいるという「ioDrive FX 1.6T」
4K(撮影は5K)や3D、高フレームレートなどによる大容量データを、ioDriveを使って非圧縮でプレイバックできるという
PCのPCIeに挿されて動作するioDrive II

 クラウディアンは、S3互換のソフトウェアストレージ製品「Cloudian」を展示していた。

クラウディアンのブース。S3互換のソフトウェアストレージ製品「Cloudian」を展示

 NTTスマートコネクトは、ホスティングサービスについて展示。レンタルサーバーと、昨年リリースしたマネージドサーバーを紹介していた。

 SAPは、「Cloud Days」から「ビッグデータEXPO」にかけて、長いブースを設けていた。

SAPのブース

 サイボウズは、kintone、サイボウズOffice、Garoonを展示していた。

サイボウズのブース

 モリサワは、ページビューに応じた料金体系で使えるクラウドフォントサービス「TypeSquare」と、受け手の属性や行動に合わせてスマートフォン・タブレット向けに電子チラシを配信する「MC-Catalog+」を展示していた。

モリサワのブース

高橋 正和