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【OpenStack Summit基調講演】中国の導入事例、HPやRed Hatの取り組み、次期OpenStackのコンポーネント紹介など (HPやOpenStack Foundationによる信頼性への取り組み)
(2013/11/8 15:01)
HPやOpenStack Foundationによる信頼性への取り組み
この日2番目の基調講演としては、HPのMonty Taylor氏が登壇した。Taylor氏もOpenStack FoundationのBoard of DirectorsおよびTechnical Committeeのメンバーであり、HP社というより主にOpenStack Foundation寄りの視点で語った。
Taylor氏はまず、HPなどから見て、ユーザー企業はクラウドに対して、ベンダーロックインではなく相互運用性やアプリケーション設計の自由のあるハイブリッドクラウドを求めていると述べ、OpenStackがその答えとなるのではないかと語った。
その上で、ユーザー企業のOpenStackへの懸念点として、「本当にオープンか」「成熟しているか」「セキュリティはどうか」「複雑ではないか」「クラウド全体の更新は大変か」といった点を挙げた。そして、これを“われわれ”コミュニティが解決する必要があると呼びかけた。
Taylor氏は、大規模なOpenStack Summitを定期的に開催できるOpenStackコミュニティの力を賞賛。「本当にオープンか」という声に対し、“自分たちでやろう”ではなく、みんなでコラボレーションしたほうが開発効率がいいと主張し、HPでもパブリッククラウドのHP Cloudの開発に必要な機能をOpenStack Horizonに入れたと説明した。
こうした活発なコードの貢献と同時に、世界中から日々集まるパッチに対して、さまざまなテストをさまざまな条件下で実行していることを紹介し、テストの自動化とCI(Continuous Integration)について説明した。これはTaylor氏がOpenStack Foundationでインフラチームとして取り組んでいる部分だ。バージョンが上がるのにともない各コードで起こるさまざまな問題に、大規模なテストのリソースが有効であると語った。
また、セキュリティについてはOpenStack Foundationのセキュリティプロジェクトを紹介。「ただしセキュリティには日々取り組まなくてはならない」として参加を呼びかけた。
マルチノードのクラウドのデプロイについては、Red HatのMcLoughlin氏も挙げたTripleOを紹介。TripleOはHPでのTaylor氏配下のチームが開発したものだという。
こうした取り組みのうえで、OpenStackが6か月ごとに継続的にリリースされることについて、計画サイクルとしての重要性を説いた。
Taylor氏は最後に、「われわれを製品ではなくコミュニティとして見てほしい」と語り、「ぜひOpenStackのインフラチームに」と参加を呼びかけた。
なお、展示会のHPブースでは、OpenStackをベースにしたクラウド基盤システム「HP Cloud OS」をデモしていた。