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「最大のポイントはIn-Memoryオプション」、日本オラクル、三澤専務に聞くOpen World 2013の総括 (インデックスがなくなる世界でなにが起こるのか?)
(2013/9/27 10:15)
あらゆるプロセッサで効果を発揮する
In-Memory技術は、Exadataだけでなく、あらゆるプロセッサで威力を発揮できます。これは、Oracle Databaseが使用する演算回路が、どのくらいプロセッサのなかに埋め込まれているのかということによるのですが、インテルのチップにも、SPARC64 Xにも、OracleのM6チップにも、主要な命令は入っています。もちろん、入っているものにはでこぼこはありますが、ENCRYPTやNUMBERといったものは入っており、大きな意味ではどのプロセッサでも差がないといえます。
技術的に差別化は、むしろ、In-Memoryでさばくときに、マルチノードでの一貫性をどう持つかということになります。これが次のプロセッサの進化における課題といえます。物理的には別々のメモリ空間を、高速にインターコネクトすることで、論理的につながっているメモリとしてみせることができるかが、これからの競い合いにあるでしょう。
富士通が、SPARC64 X+で搭載したCMIはそのひとつですし、それ以外にもいくつかの方法があります。Exadataは、なにが優れているのかというと、InfiniBandを、Oracle Databaseに特化した形で徹底的にチューニングしている点にあります。物理的にバラバラのものを、論理的に直結できるのは、Oracle Real Application Cluster(RAC)のキュッシュフュージョンのメカニズムが大きく進化している点が見逃せません。これにより、Oracleだけがマルチノードで動かすことができるわけで、競合他社にはないものです。
「ローマは一日にしてならず」という言葉のように、バッファキャッシュのテクノロジーは、Oracleが30年間をかけて作ってきたものです。また、キャッシュフュージョン技術も、17、18年やっている。Exadataでは、それらを生かして、InfiniBandの最適化を行ってきた。他社が、そう簡単には追いつけるテクノロジーではないですね。
これが、Exadataと一般的なサーバーとの大きな差になっています。インターコネクト技術でいいものを作った会社が、次の時代に勝つといえるのではないでしょうか。
インデックスがなくなる世界でなにが起こるのか?
Oracle Database In-Memoryオプションによって、インデックスが不要になる世界が広がるわけです。この点は、日本のSIerも気がつかなくてはならない部分であり、ユーザーもそれがどう影響するのかということをしっかりととらえる必要があります。多くのユーザー環境では、インデックスがハードウェアのパフォーマンスを食っていたわけで、インデックスにコストをかけてきた。さらにインデックスを張り巡らされることで、さらにメンテナンスのコストを上昇させている。これが一気に環境が変わるわけです。インデックスがなくなる世界はどういう世界になるのか。
日本のベンダーやSI、お客さまは真剣に考えなくてはならない時代がやってきたわけです。コスト構造は劇的に変わることになるでしょう。ビジネスモデルを変えなくてはいけないSIerも出てくる可能性はありますね。
しかし、これはデータベースのプロが不要になるということとは違います。データベースの技術者は、インデックスの作業を行い、チューニングをするのが仕事ではなく、自分の会社にあわせた形でメンテナンスをしつづける能力や、セキュリティをどう確保するかといった技術能力が問われるようになるのではないでしょうか。
いずれにしろ、インデックスを外すと、どうなるのかということを、これから検証していかなくてはならないのは確かです。年内には複数の国内トップクラスのお客さまと検証を行っていきたいと考えています。これからIn-Memory技術を、日本のお客さまに正確に理解してもらうための活動が必要ですね。実際に実装が始まるのは、1年後になるでしょう。このビジネスは来年以降が本番になります。