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【Cloud Days Tokyoレポート】マイクロソフト、サイボウズ、シマンテック、EMCなどが最新ソリューションを展示

 日経BP社が主催するイベント「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」が2月27日から28日までホテルニューオータニで開催されている。「スマートフォン&タブレット2013春」および「ビッグデータEXPO 2013春」も併設され、さまざまなセミナーや展示会が開かれている。

Cloud Days Tokyo 2013 Spring
展示会場の様子

新しいOffice 365を展示

 日本マイクロソフトのブースでは、2月27日に発表された新しい「Office 365」を中心に展示している。展示会場入り口すぐにあるコーナーでは、「Office CAFE」と題して、ミニセミナーや体験コーナーを設置。ほか、機能ごとに展示で紹介している。

 それに関連して、Exchange(オンプレミスのExchange ServerおよびOffice 365のExchange Online)や、?Lync 2013、SharePointなどについても展示されている。

 また、Windows Server 2012およびSystem Center 2012 SP1についても、展示およびミニセミナーが開催されている。

「Office 365」のミニセミナーや体験コーナーを常設した「Office CAFE」
Office 365の機能ごとの展示
Lync 2013の展示。Skype等との連携やタブレット等への対応を強化
Exchangeの展示。コンプライアンス関連の機能を強化
System Center 2012 SP1のミニセミナー
Windows Server 2012やSystem Center 2012を紹介するコーナーも設けられている

サイボウズOfficeの新機能や4月予定の機能をデモ

 サイボウズのブースでは、2月27日に発表された、クラウド版「サイボウズOffice」のカスタマイズ機能をデモしている。この機能では、「カスタムマネージャー」の画面を開くと、「検索ボックスを隠す」「ユーザーのアイコンのサイズを32x32で表示する」といったカスタマイズ項目が表示され、項目ごとに有効にできる。

 それぞれのカスタマイズモジュールはJavaScriptで作られており、GitHubのリポジトリから取得して組み込むようになっている。ちょうど、Webブラウザの拡張機能のような感覚で追加できるもので、「設定項目に追加して設定を複雑にするまでもないマイナーな要望に応えられる」ものだという。なお、展示では同社創設メンバーでサイボウズ・ラボ社長である畑慎也氏名義のリポジトリでデモされており、ほかのリポジトリを設定することもできるという説明だった。

 また、「4月に搭載予定の新機能を先行公開」として、スケジュールで「会議」「来訪」「休み」などの決まった予定項目に全社統一で色を設定できる機能もデモ。そのほか、スケジュールのパーツとして予定をドラッグ&ドロップして移動したりできる機能なども紹介された。

クラウド版「サイボウズOffice」の新機能や、メールワイズ、kintone、クラウド版ガルーンなどの展示
クラウド版サイボウズOfficeにカスタマイズモジュール(拡張機能)を組み込んでカスタマイズする「カスタムマネージャー」
カスムマネージャーが参照するカスタマイズモジュールのリポジトリの指定
予定項目に全社統一で色を設定できる機能。4月に搭載予定
予定項目に設定した背景色が付けられている

クラウドのシングルサインオンソリューションSymantec O3

 シマンテックのブースでは、近日発売予定として「Symantec O3」が参考出品されている。Symantec O3は、パブリッククラウドやプライベートクラウドに、さまざまなデバイスから、シングルサインオンで安全にアクセスできるようにするソリューション。クラウド型の認証ゲートウェイサービスとして提供される。

 そのほか、Symantec O3でも使われている認証ソリューション「Symantec Validation & ID Protection(VIP)」や、BYODで利用する端末のアプリを管理する「Symantec App Center」を展示している。

クラウドサービスにシングルサインオンでアクセスするための認証ゲートウェイサービス「Symantec O3
Symantec O3のiOSクライアント
認証ソリューション「Symantec Validation & ID Protection(VIP)」
BYODで利用する端末のアプリを管理する「Symantec App Center」

ヴイエムウェアのデスクトップソリューションHorizon Suite

 ヴイエムウェアのブースでは、2月21日に発表したエンドユーザーコンピューティングの包括ソリューション「VMware Horizon Suite」を展示している。

 Horizon Suiteの中心となる「Horizon Workspace」は、アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化のポータルであり、仮想デスクトップのためのデータ共有の機能も持つ。また、「Horizon View」は、仮想デスクトップ基盤(VDI)製品。「Horizon Mirage」は、物理PCのマスターイメージを管理してノートPCなどに配信する製品。Horizon Suiteによって、「個別のPCやOSに依存しないエンドユーザーコンピューティングが実現できる」という説明だった。

 そのほか、仮想化基盤「VMware vSphere」や、インフラ管理製品「VMware vSphere Operations Management Suite」、仮想化基盤の上にマルチテナントで仮想データセンターを作る「VMware vCloud Director」も展示されている。

アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化のポータル「Horizon Workspace」
VDI製品「Horizon View」
物理PCのマスターイメージを管理してノートPCなどに配信する「Horizon Mirage」
仮想化基盤「VMware vSphere」
インフラ管理製品「VMware vSphere Operations Management Suite」
仮想化基盤の上にマルチテナントで仮想データセンターを作る「VMware vCloud Director」

EMC、クラウドの使い分けやビッグデータのサービス

 EMCブースでは、オンプレミスやクラウドサービスの使い分けや選択が重要だとして、EMCコンサルティングのサービスを紹介。その一環として、ホステッド型のプライベートクラウドのサービスである、IIJの「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」と、KDDIの「KDDIクラウドプラットフォームサービス」もミニセミナーを含めて紹介していた。

 そのほか、検証済み仮想化インフラ「EMC VSPEX」や、仮想化デスクトップソリューション、仮想化デスクトップほかのためのSSDソリューション、バックアップソリューションなどを展示している。

 また、EMCはビッグデータEXPOにもブースを出展していた。製品としては、同社のエンタープライズ向けHadoopディストリビューション「Greenplum MR」とビッグデータ分析向けデータベース「Greenplum DB」について展示。同時に、「データサイエンティスト・トレーニング」のサービスについても展示していた。また、スケールアウトNAS製品のIsilonについても、HDFSサポートを中心に展示していた。

オンプレミスやクラウドサービスの使い分けと、EMCコンサルティングの紹介
「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」と「KDDIクラウドプラットフォームサービス」の紹介
検証済み仮想化インフラ「EMC VSPEX」
仮想化デスクトップソリューションや、SSDソリューションの展示
エンタープライズ向けHadoopディストリビューション「Greenplum MR」とビッグデータ分析向けデータベース「Greenplum DB」
「データサイエンティスト・トレーニング」についての展示
スケールアウトNAS製品のIsilonについて、HDFSサポートを中心に展示

多くのパートナーや商用実績を持つS3互換オブジェクトストレージ

 クラウディアンのブースでは、Amazon S3互換のオブジェクトストレージ製品「Cloudian」を展示している。CloudianはAmazon S3とAPIに互換性があり、スケールアウト構成やディザスタリカバリなどの機能を持つ。また、さまざまなパートナー企業がサポートし、NTTコミュニケーションズのCloudnやニフティクラウドストレージなどでの導入が公表されており、「実運用で直面する問題を超えてきた実績が特徴」という説明だった。

Cloudianの展示
Cloudianのパートナー企業

シトリックスのクラウドソリューションとSDNソリューション

 シトリックスのブースでは、クラウド基盤ソフトウェアであるApache CloudStackをベースとした商用製品「CloudPlatform」を中心とするクラウドソリューションと、ネットワーク製品「NetScaler SDX」とCloudPlatformを組み合わせたSDNソリューションについて展示している。

CloudPlatformを中心とするシトリックスのクラウドソリューション
NetScaler SDXとCloudPlatformを組み合わせたシトリックスのSDNソリューション
NetScaler

ニフティクラウドの業務系などでの適用例

 ニフティクラウドのブースでは、業務系やEC系の利用をターゲットして、パートナー企業をフィーチャーして展示している。同社自身のサービスとしては、専用線や閉域網サービスを接続する「ダイレクトポート」と、オンプレミスとVPN接続する「セキュアネットワーク」を展示。また、ドリームアーツによるニフティクラウド上での業務系構築事例や、EC-CUBEをニフティクラウド上で提供する「EC-CUBEクラウド」、タブレットとクラウドによってPOSとECサイトを統合するS-cubisumの「EC-Orange POS」が展示されている。

ニフティクラウドとオンプレミスを結ぶための「ダイレクトポート」「セキュアネットワーク」
ドリームアーツによるニフティクラウド上での業務系構築事例
EC-CUBEをニフティクラウド上で提供する「EC-CUBEクラウド」
タブレットとクラウドによってPOSとECサイトを統合するS-cubisumの「EC-Orange POS」

Fusion-ioの大規模ユーザー向け新製品

 Fusion-ioのブースでは、高速フラッシュストレージ製品として、現在発売中の「ioDrive II」と並び、2月28日に日本発表予定(米国では1月発表)という「ioScale」を紹介している。ioScaleは、Webなどのサービス事業者向けにioDriveより低価格で販売する製品で、100枚単位のボリューム販売専用となっている。「Facebookと共同で開発した技術を一般向けに販売するもので、『設定GUIやサポートはいいから、とにかく速いものを安くたくさん欲しい』という、技術力のある大規模ユーザーの要望に応えた製品」という説明だった。

Fusion-ioの高速フラッシュストレージ製品「ioDrive II」と、新製品「ioScale」のパンフレット

各社のソリューションを展示

 そのほか、クラウド事業者からデバイスベンダー、アプリケーションまで、さまざま製品やサービスが展示された。

アマゾンウェブサービスは、サポートサービスの「AWSサポート」と「AWS Trusted Advisor」について展示。また、パートナー企業のブースも軒を並べた
デルの、スケールアウトiSCSIストレージ「EqualLogic PS6100XV」と、シンプロビジョニングや自動階層型ストレージ機能を持った仮想環境向けストレージ「Compellent SC8000」
F5が2月に発表した、BIG-IPおよびVIPRON用のファイアウォール機能の紹介。専用のソフトウェアモジュールとして販売され、負荷分散とファイアウォールが同じ筐体内で動作する
F5のBIG-IP 4200v
ジュニパーは、Web Application Firewall(WAF)製品「Mykonos」や、フラットなL2ネットワークを構成する「QFabric」、今年発表された同社の「“6-4-1”SDN戦略」について展示
OSCA(Open Standard Cloud Association)のブース。OpenStackやSwiftの試験環境構築のための冊子や、HadoopディストリビューションのClouderaの展示、RHEVへの移行事例の紹介など
ネオジャパンのWeb型グループウェア「desknet's NEO」のブース
富士通のブースでは、パブリッククラウドやクラウドファイルサーバーのサービスとともに、スマートフォンで肌をチェックするクラウドサービス「肌メモリ」をデモ

(高橋 正和)