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【Cloud Days Tokyoレポート】マイクロソフト、サイボウズ、シマンテック、EMCなどが最新ソリューションを展示
(2013/2/28 10:58)
日経BP社が主催するイベント「Cloud Days Tokyo 2013 Spring」が2月27日から28日までホテルニューオータニで開催されている。「スマートフォン&タブレット2013春」および「ビッグデータEXPO 2013春」も併設され、さまざまなセミナーや展示会が開かれている。
新しいOffice 365を展示
日本マイクロソフトのブースでは、2月27日に発表された新しい「Office 365」を中心に展示している。展示会場入り口すぐにあるコーナーでは、「Office CAFE」と題して、ミニセミナーや体験コーナーを設置。ほか、機能ごとに展示で紹介している。
それに関連して、Exchange(オンプレミスのExchange ServerおよびOffice 365のExchange Online)や、?Lync 2013、SharePointなどについても展示されている。
また、Windows Server 2012およびSystem Center 2012 SP1についても、展示およびミニセミナーが開催されている。
サイボウズOfficeの新機能や4月予定の機能をデモ
サイボウズのブースでは、2月27日に発表された、クラウド版「サイボウズOffice」のカスタマイズ機能をデモしている。この機能では、「カスタムマネージャー」の画面を開くと、「検索ボックスを隠す」「ユーザーのアイコンのサイズを32x32で表示する」といったカスタマイズ項目が表示され、項目ごとに有効にできる。
それぞれのカスタマイズモジュールはJavaScriptで作られており、GitHubのリポジトリから取得して組み込むようになっている。ちょうど、Webブラウザの拡張機能のような感覚で追加できるもので、「設定項目に追加して設定を複雑にするまでもないマイナーな要望に応えられる」ものだという。なお、展示では同社創設メンバーでサイボウズ・ラボ社長である畑慎也氏名義のリポジトリでデモされており、ほかのリポジトリを設定することもできるという説明だった。
また、「4月に搭載予定の新機能を先行公開」として、スケジュールで「会議」「来訪」「休み」などの決まった予定項目に全社統一で色を設定できる機能もデモ。そのほか、スケジュールのパーツとして予定をドラッグ&ドロップして移動したりできる機能なども紹介された。
クラウドのシングルサインオンソリューションSymantec O3
シマンテックのブースでは、近日発売予定として「Symantec O3」が参考出品されている。Symantec O3は、パブリッククラウドやプライベートクラウドに、さまざまなデバイスから、シングルサインオンで安全にアクセスできるようにするソリューション。クラウド型の認証ゲートウェイサービスとして提供される。
そのほか、Symantec O3でも使われている認証ソリューション「Symantec Validation & ID Protection(VIP)」や、BYODで利用する端末のアプリを管理する「Symantec App Center」を展示している。
ヴイエムウェアのデスクトップソリューションHorizon Suite
ヴイエムウェアのブースでは、2月21日に発表したエンドユーザーコンピューティングの包括ソリューション「VMware Horizon Suite」を展示している。
Horizon Suiteの中心となる「Horizon Workspace」は、アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化のポータルであり、仮想デスクトップのためのデータ共有の機能も持つ。また、「Horizon View」は、仮想デスクトップ基盤(VDI)製品。「Horizon Mirage」は、物理PCのマスターイメージを管理してノートPCなどに配信する製品。Horizon Suiteによって、「個別のPCやOSに依存しないエンドユーザーコンピューティングが実現できる」という説明だった。
そのほか、仮想化基盤「VMware vSphere」や、インフラ管理製品「VMware vSphere Operations Management Suite」、仮想化基盤の上にマルチテナントで仮想データセンターを作る「VMware vCloud Director」も展示されている。
EMC、クラウドの使い分けやビッグデータのサービス
EMCブースでは、オンプレミスやクラウドサービスの使い分けや選択が重要だとして、EMCコンサルティングのサービスを紹介。その一環として、ホステッド型のプライベートクラウドのサービスである、IIJの「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」と、KDDIの「KDDIクラウドプラットフォームサービス」もミニセミナーを含めて紹介していた。
そのほか、検証済み仮想化インフラ「EMC VSPEX」や、仮想化デスクトップソリューション、仮想化デスクトップほかのためのSSDソリューション、バックアップソリューションなどを展示している。
また、EMCはビッグデータEXPOにもブースを出展していた。製品としては、同社のエンタープライズ向けHadoopディストリビューション「Greenplum MR」とビッグデータ分析向けデータベース「Greenplum DB」について展示。同時に、「データサイエンティスト・トレーニング」のサービスについても展示していた。また、スケールアウトNAS製品のIsilonについても、HDFSサポートを中心に展示していた。
多くのパートナーや商用実績を持つS3互換オブジェクトストレージ
クラウディアンのブースでは、Amazon S3互換のオブジェクトストレージ製品「Cloudian」を展示している。CloudianはAmazon S3とAPIに互換性があり、スケールアウト構成やディザスタリカバリなどの機能を持つ。また、さまざまなパートナー企業がサポートし、NTTコミュニケーションズのCloudnやニフティクラウドストレージなどでの導入が公表されており、「実運用で直面する問題を超えてきた実績が特徴」という説明だった。
シトリックスのクラウドソリューションとSDNソリューション
シトリックスのブースでは、クラウド基盤ソフトウェアであるApache CloudStackをベースとした商用製品「CloudPlatform」を中心とするクラウドソリューションと、ネットワーク製品「NetScaler SDX」とCloudPlatformを組み合わせたSDNソリューションについて展示している。
ニフティクラウドの業務系などでの適用例
ニフティクラウドのブースでは、業務系やEC系の利用をターゲットして、パートナー企業をフィーチャーして展示している。同社自身のサービスとしては、専用線や閉域網サービスを接続する「ダイレクトポート」と、オンプレミスとVPN接続する「セキュアネットワーク」を展示。また、ドリームアーツによるニフティクラウド上での業務系構築事例や、EC-CUBEをニフティクラウド上で提供する「EC-CUBEクラウド」、タブレットとクラウドによってPOSとECサイトを統合するS-cubisumの「EC-Orange POS」が展示されている。
Fusion-ioの大規模ユーザー向け新製品
Fusion-ioのブースでは、高速フラッシュストレージ製品として、現在発売中の「ioDrive II」と並び、2月28日に日本発表予定(米国では1月発表)という「ioScale」を紹介している。ioScaleは、Webなどのサービス事業者向けにioDriveより低価格で販売する製品で、100枚単位のボリューム販売専用となっている。「Facebookと共同で開発した技術を一般向けに販売するもので、『設定GUIやサポートはいいから、とにかく速いものを安くたくさん欲しい』という、技術力のある大規模ユーザーの要望に応えた製品」という説明だった。