「Windows 8は、Windows95以上のヤマ場」~日本マイクロソフト樋口泰行社長

マイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス 2012基調講演


 日本マイクロソフト株式会社は7日、年次パートナー総会「マイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス 2012(JPC 2012)」を開催した。

 全国のビジネスパートナー企業を対象に実施しているもので、1800人が事前登録。7月から始まった同社新年度におけるMicrosoftの重点戦略やパートナービジネスへの取り組み、Windows 8をはじめとする今年度中に投入される予定の新製品などについて説明した。

 

パートナーとの強力で世界ナンバーワン子会社に

日本マイクロソフトの樋口泰行社長

 冒頭、基調講演に登壇した日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、約30分間に渡って、「日本マイクロソフト 新年度ビジネス戦略とフォーカス分野」をテーマに講演。「まずはパートナーのみなさまに感謝を申し上げたい」と切り出し、「4年前には、マイクロソフトの先進国の子会社のなかでは最下位であったが、一昨年度にはナンバーワンになり、昨年度も2年連続でナンバーワンとなった。これは、みなさまパートナー企業のご支援のたまものである。今年度は、ぜひ3連覇を成し遂げたい」と、感謝とともに、今後の成長維持にも意欲をみせた。

 また、品川本社に16万7000人が訪れ、日本マイクロソフトが実践している最新のITを活用したワークスタイルを見学している実績などを紹介。さらに、日産自動車のディーラーマネジメントシステム、NECの基幹システムのバックアップ、富士通のグローバル情報システム基盤に採用されるといった事例を引き合いに出し、「当社の製品が重要な基幹システムに採用されており、当社に対する信頼性が高まっている」などと語った。

 樋口社長は、就任以来、4年間にわたって、「お客さまに顔が見え、親しまれ、かつ尊敬される企業」、「パートナー様との密な協業を推進できる企業」、「前向きで生き生きとした人材にあふれ、自己の成長を実現できる企業」、「常に革新的な技術をお届けできる企業」、「日本社会に根ざし、良き企業市民として貢献できる企業」の5つを、目指すべき企業像に掲げてきたことを示しながら、「日本マイクロソフトに対するパートナーやお客さまの声が変化してきた。ともにビジネスをやってくれる企業である、外資系のイメージがなくなってきたという言葉をもらっている。これは私たちにとっては褒め言葉だととらえている。社名に『日本』をつけたことからもわかるように、日本に根ざしてやっていく考えであり、これからも、この姿勢を変わらない」とした。

 だが、その一方で、Windows 8に関する情報について、「これまでとは異なり、グローバルでの一元的な施策を行っているため、これまで通りに情報が出てこないという点を指摘する声もある。これは競合戦略上のものであり、その点をご理解いただきたい」などと理解を求めた。


お客さまからの声目指すべき企業像

 

最大の目玉はやはり“Windows 8”

史上最大規模の製品リリースと位置づけるWindows 8
Windows 8で日本を元気に

 一方、樋口社長は、「顧客からは、コスト削減や事業継続性に対する要求が急速に高まっているが、ここにはきて、日本がもっと強くなるにはどうしたらいいかといった要求が高まってきている」として、経営スピード向上、社風改革、情報活性化、世界視点、ガバナンス向上、インテリジェンスなオペレーションといった要素が重視されはじめていることを示した。

 「社風を変えたい、ガラパゴスではなく世界視点での景色をみたい、ガバナンスを利かせて変革に取り組みたいといった要望が高まっている。この変革を支えるのがITになる」と語る。

 こうした変化のなかで、マイクロソフトは、今年度、最大の最大規模の新製品リリースのシーズンを迎えることになるとする一方、「四半世紀ぶりにロゴを変更し、マイクロソフトにとっても、新時代を迎えることになる」などと語った。

 そして、「最大の目玉」とするのがWindows 8である。

 「CPUも広がりをみせ、タッチという新たな機能を使い方が可能になるWindows 8は、まさにWindowsの再創造であり、パートナーとの連携強化、市場活性化を促すものになる。10月26日の発売がいまから待ち遠しい」としながら、「Windowsは万能なソリューションであり、これしかないというぐらいのOS。このモメンタムをパートナーと一緒に作り上げ、おこがましいとは思うが、Windows 8で日本を元気にしたい、という気持ちで取り組んでいく」などと語った。

 また樋口社長は、「Windows 8は、Windows95以上のヤマ場を迎えるOSになる」と前置きし、「広告投資は、Windows95を上回るものになる」と宣言した。Windows 8広告キャンペーンでは、オンライン、新聞、雑誌、屋外広告のほか、テレビCMも展開。「テレビCMは、かなり長期間にわたって流れることになるだろう」とし、「いい商品を、自信をもって出し、それがかなりの広告量によって告知されることになる。おのずと盛り上がることになるのは明らか。パートナーとの完全同期によってビジネスを拡大したい」と語った。

 需要喚起策としては、9月27日、28日に4000人以上が参加して開催予定のMicrosoft Conference 2012のほか、各種セミナーやワークショップを通じた訴求を行っていく考えも示した。

 「Windows 8、次期Office、Windows Server 2012と新製品が相次ぐ。これは数年に一度のこと。ぜひ日本を元気にしていきたい」と語り、講演を締めくくった。


大規模な広告キャンペーンを実施するイベントへの出展も
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(大河原 克行)
2012/9/7 15:40