仮想化道場

やっと登場した最上位x86サーバープロセッサ、Ivy Bridge世代のXeon E7 v2シリーズ

メモリ関連の機能を強化

 Xeon E7 v2シリーズでは、新しいスケーラブル メモリ インターコネクト(SMI)が採用された。4本のSMIが用意され、1本のSMIに専用のメモリ拡張バッファが接続される。1本のメモリ拡張バッファには、2本のメモリチャンネルが用意され、1本のメモリチャンネルあたり最大3本のDIMMが搭載できる。これにより、1プロセッサで最大24本のDIMMをサポートしている。

 メモリは最大でDDR3 1600MHzをサポートしているが、1本のメモリチャンネルに3本挿すと1066MHzにまで落ちてしまう(LRDIMM=Load-reduced dual-inline memory moduleを使えば、1333MHzで動かすこともできる)。

 動作モードは、ロックステップ、パフォーマンスの2つのモードを持っている。パフォーマンスモードは、SMIのスピードを2667MHz(小数点端数があるため最後のけたが6ではなく7になっている)に向上さえ、DDR3 1333MHzのメモリをデュアルチャンネルで動かす。これにより、帯域の広いメモリアクセスが可能になる。

 ロックステップモードは、メモリをシングルチャンネルで動かすことで、メモリ自体はDDR3 1600MHzで動作するが、シングルチャンネルのためSMIのスピードは1600MHzのままとなる。

 Intelでは、パフォーマンスモードを1600MHzの2倍の3200MHzで動かそうと考えていたが、実際チップの検証をしてみると、安定して動作するのが1333MHzの2倍の2667MHzになってしまったのだろう。

 メモリ性能を生かしたければ、パフォーマンスモードを選択することが推奨されている(BIOSデフォルトはパフォーマンスモード)。

 実際Xeon E7 v2シリーズでは、1チャンネルあたり3本のDIMMを利用するということはあまりないだろう。パフォーマンスモード、ロックステップモードの両方を考えれば1チャンネルあたり2本のDIMMというのが一般的かもしれない。メモリ性能を若干犠牲にしても大容量化したいときには、3本のDIMMを利用することになる。

 このあたりは、サーバーを設計するサーバーベンダーのコンセプトによって、構成が異なってくるだろう。

メモリはメモリ拡張バッファを経由して接続される。メモリ拡張バッファには、2本のメモリチャンネルが用意されている
メモリは、ロックステップモードとパフォーマンスモードの2つをサポートする
ロックステップ、パフォーマンスの両モードがあるため、さまざまなメモリ実装バリエーションを持っている
メモリの帯域としては、パフォーマンスモードの場合で、前世代のXeon E7より30%性能がアップしている

(山本 雅史)