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Firefox OSスマートフォンに終止符 立ち位置を模索するMozilla

Mozilla、モバイルとソーシャルでは…

 Mozilla自体への懸念も浮上している。Wired.comは、Firefoxブラウザのシェア減少や、先に発表した電子メールクライアント「Thunderbird」のスピンオフ計画などにも触れながら、Firefox OSの戦略変更を「Mozillaがモバイル Webとソーシャルの時代に、なかなか道を見いだせずにいる」と評した。

 一方でMozillaは、8日の開発者向けイベントでiOS 9上の「Safari」向けコンテンツブロッカー「Focus by Firefox」をリリースした。Firefox OSほど野心的なものではないが、iOSユーザーのプライバシー懸念に応じるなどの“体験の改善”で存在感を示そうとしている。今年11月には、iOS向けFirefoxも発表している。

 Mozillaがこれから目指すというIoT向けプラットフォームとしてのチャンスは未知数だが、平坦な道ではないだろう。ライバルだけでもTizenはすでにスマートフォンからIoTにシフトしており、ほかにBlackberryの「QNX」、Googleの「Brillo」、Palm OSを買収したLGの「WebOS」もある。

 Mozillaは2014年、ずっと重要な収益の柱となっていたGoogleとの関係(デフォルトの検索ボックスでの提携)を解消した。その比率は約8割だったとも言われており、解消後の財務状態が心配されていた。今年11月の決算報告では、Yahoo、Bing(Microsoft)、Baidu、Amazon、eBayなどの検索での提携がメインの収益になったとしている。

 モバイル、IoTへの潮流の中で、Mozillaの模索は続きそうだ。

岡田陽子=Infostand