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モノづくりを加速 5ドルのRaspberry Pi「Zero」

 ホビイスト、ハードウェアハッカーの間で人気のシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」(RasPi)を管理する英Raspberry Pi財団が新モデル「Raspberry Pi Zero」を発表した。“マネークリップ”サイズに小型化するとともに、価格を一挙に5分の1の5ドルまで下げた。RasPiでは、膨大なDIYプロジェクトが行われている。価格の低下によって、新しいアイデアや、ビジネスをより簡単に試せるようになる。

発売から1日で完売

 財団は11月26日、Raspberry Piシリーズで7番目のモデルに当たるRaspberry Pi Zeroを発表。即日販売を開始した。1GHzのARMコアプロセッサ、512MBのRAMを搭載。I/Oとして、mini-HDMI(1080p)ビデオ出力、Micro-USB、汎用の40ピン入出力を備え、ストレージとしてmicro-SDカード(別売)を使う。大きさは65x30x5mm。製造はソニーのアイルランド工場という。

 大きさもさることながら、何よりその価格が魅力的だ。現行モデルのRaspberry Pi 1 Model A+と比べて40%高速で価格は5分の1。RAMやI/Oを強化した4コアの上位モデルRaspberry Pi 2 Model Bと比べると価格は7分の1だ。

 Zeroは財団が発刊する雑誌「MagPi」(定期購読3冊の場合で37.5ドル)の最新号に“付録”として付いてくる。この号の発行部数は1万部。また単体では、まず2万個を発売した。TechRadarなどによると、これがわずか1日で売り切れたという。このあとも週1万個のペースで生産を続ける予定という。

 「われわれは、欲しいという人がいる限り、Zeroの生産を続ける。昨日の騒ぎから考えると、しばらくは需要が供給を上回るように思えるが、チャンネルを開いておくよう最大限の努力をする」。財団の創設者で製造会社のCEOを務めるEben Upton氏はブログでこう述べている。

(行宮翔太=Infostand)