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OSの位置付けが変わった “最後のWindows”静かにローンチ

「必要なもの」から「愛されるOS」へ

 Nadella氏は決算発表の場で、Windows 10の目標について「会計年度2018年(2017年7月-2018年6月)にアクティブデバイス10億台」と述べた。そのために「必要なものから、選ばれるものへ、そして愛されるものへ」とWindowsを変えていきたい、とした。

 その取り組みの1つがWindows Insider Programだ。Windows 10で初めて取り入れた試みで、一般ボランティアのテスターが開発中の早期版を使って、フィードバックを送るというものだ。Microsoftによると、コンシューマーとビジネスユーザーの約500万人が同プログラムに参加したという。

 BloombergはWindows Insiderを「最大の変化」と位置付ける。フィードバックを受けてWindows 10を一緒に形作っていくことを目的としている点を評価し、「Microsoftがこんなことをするとは、数年前には考えられなかった」と述べている。

 成果はあったようだ。Windows 8で削除されて不評を買ったスタートメニューの復活、「Internet Explorer」から思い切って新しくしたブラウザ「Edge」、音声アシスタント「Cortana」などの特徴を持つが、Gartnerのアナリスト、Steve Kleynhans氏は「驚くほどの肯定的な反応」が企業からもあったと述べている。

 Foley氏は、秋に予定されているエンタープライズ向け機能として、企業データを私用データから分離して保護する「Enterprise Data Protection」や、企業が自分たちのWindowsアプリを配信できるWebベースのストアポータル「Business Store for Windows 10」などを予想している。

(岡田陽子=Infostand)