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車はスマホから呼び出すものに 配車アプリUberの野望

 「オンデマンド配車サービス」が世界を席巻している。スマートフォンからハイヤーを呼び出して手軽に利用できるサービスで、利便性や安価を武器に、米国の大都市で住民の新しい移動手段として定着してきた。その筆頭Uberは現在、全米の人口カバー率が43%。世界展開も進め、評価額は170億~180億ドルという。その豊富な資金でタクシー代替から新しい領域にも進出しようとしている。

進撃するオンデマンド配車サービス

 オンデマンド配車は、GPS機能を持ったスマートフォンから、専用アプリでリクエストすると、近くにいる車を乗客のもとへ配車するサービスだ。“ピア・ツー・ピア交通サービス”と呼ばれることもある。話題のUber Technologiesは、Garrett Camp氏とTravis Kalanick氏の2人が2009年に設立。2010年6月にサンフランシスコでサービスを開始して急成長。開始からわずか4年で、44カ国170都市に展開するまでになった。

 アプリで、迎えに来る車の現在位置を確認でき、あらかじめ登録したクレジットカードによる支払いによってキャッシュレスで完結する。Uberの成功は、移動したいときに、簡単にオンデマンドでサービスを利用できることを指す「Uberification(サービスのUber化)」という言葉まで生んだ。

 Uberは日本でも昨年11月に高級リムジンサービスを開始し、今月5日には、新たに都内で「ウーバー・タクシー」と高級車を採用した「ウーバー・タクシーラックス」を発表したところだ。だが、その真骨頂はメディアなどが「rideshare」と呼ぶ日本未提供のサービスだ。

 Uberは米国内では、タクシーを配車する「TAXI」、高級ハイヤーを配車する「LUX」のほか、大型車の「SUV」、黒塗りセダンの「BLACK」、そして低価格のハイヤー「uberX」の5種類のサービスを提供している。人気の中心は安く手軽なuberXで、一般のドライバーが登録し、自分の車を使って乗客を運ぶというものだ。

(行宮翔太=Infostand)