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次期サーバーでコンテナ技術に注力 Microsoftの挑戦

 今夏投入予定の「Windows 10」に注目が集まるMicrosoftだが、同社の主戦場となるエンタープライズ側でも手を打っている。同社は次期サーバーOS「Windows Server 2016」にコンテナ技術や新しい実装オプションを導入する計画を明らかにした。トレンドを取り込んでクラウドの覇権争いに挑む戦略だ。Windows 10の前評判は上々のようだが、Windows Server 2016でも新鮮さを与えているようだ。

新たに導入される「Nano Server」と「Hyper-V Container」

 Windows Serverの次期版となる「Windows Server 2016」の初回のプレビュー版が登場したのは、2014年秋。Microsoftは2015年になるまでWindows Server 2016の概要をあまり明かしてこなかったが、1月末に発表時期を2016年と発表した。Microsoftは通常、クライアント向けのWindows OSとサーバー向けのOSを同時期に公開するが、「Windows 10」は今年夏、Windows Server 2016は2016年、と珍しいパターンになった。次のプレビュー版は2015年5月を予定している。

 そして4月8日、Microsoftは公式ブログでWindows Server 2016の最新情報を公開した。ポイントは2つある。1つ目は、Windows Server 2016でMicrosoftは「Nano Server」という新しい実装モードを提供すること。2つ目は、コンテナ技術「Hyper-V Container」の導入だ。

 Nano Serverは最小限必要なコンポーネントを集めたもので、「特別の目的のためのOSで、クラウドで生まれたアプリケーションやコンテナを動かすために設計されている」と同社は説明している。MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏によると、具体的には、仮想化技術「Hyper-V」、クラスタリング、ネットワーク技術、ストレージ技術、「.NET」それに.NETの実行エンジン「Core CLR」などが含まれ、ユーザーインターフェイスは持たないという。

 Hyper-V Containerは、Hyper-V仮想化技術を利用したコンテナ実装オプションとなり、仮想化技術で隔離することで、ホストOSや他のコンテナの影響を受けないようにする。セキュリティ要件の高いアプリケーションを意識した安全性が売り物だ。

(岡田陽子=Infostand)