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HPがEucalpytus買収 狙いは? OpenStackとの関係は?

 Hewlett-Packard(HP)がオープンソースのプライベートクラウド構築技術を提供する企業Eucalyptus Systemsを買収すると発表した。詳細は公開されていないが、買収額は多くのメディアが1億ドル程度と予想している。Eucalyptusといえば、HPが推進する「OpenStack」と競合する関係にある。業界関係者やメディアは、首をかしげながらも狙いや業界への影響を探っている。

EucalyptusとOpenStackの関係

 Eucalyptusはカリフォルニア大学サンタバーバラ校のプロジェクトで開発されてきたプライベートクラウド基盤ソフトウェアだ。正式に発表されたのは2007年でクラウド業界の中では早く、同じく早期からパブリッククラウドを提供していたAmazon Web Services(AWS)とのAPI互換性を特徴とする。企業はデータセンター内にクラウドを構築して、アプリやデータを動かすほか、追加の処理能力が必要ならAWSを利用したハイブリッドクラウドも構築できる。

 Eucalyptus Systemsは2009年に、開発者や起業家で設立した企業で、Eucalyptusの開発や保守サポートを行っている。2010年に、元MySQLのCEOでオープンソース業界では著名なMarten Mickos氏がCEOに就任して、注目を集めた。それも奏功してか、当初はUbuntuなどの支持を取り付けた。しかし、翌2010年にRackSpaceが米航空宇宙局(NASA)らと共同で進めてきたクラウド基盤プロジェクトのOpenStackをオープンソースプロジェクトとして発表すると、Linux陣営を中心にOpenStackへのくら替えが始まった。

 OpenStackはオープンソースのパブリッククラウド基盤で「Eucalyptusの限界を補うために開発された」(Wired.com)という指摘もある。同じオープンソースプロジェクトではあるが、Eucalyptusとは競合関係といってよいだろう。実際、CEOのMickos氏は、OpenStackのガバナンスが整っていないことを批判。“(クラウドの)ソビエト連邦”と発言したこともあった。

(岡田陽子=Infostand)