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Microsoftの大きな転換点になる? 次期OS「Windows 9」

Windows 8の悲惨な状況

 Windows 8のリリースは2012年10月。現行バージョンのWindows 8.1は1年後の2013年10月だ。リリースから2年が経過しようとしているにもかかわらず、採用は遅々として進まない。NetmarketShareの集計では、7月のデスクトップOSに占めるWindows 8.0のシェアは5.92%、Windows 8.1が6.56%で計14.8%にすぎない。最も多いのはWindows 7の51.22%で、その次がWindows XPの24.82%だ。

 Windows XPの延長サポート終了(今年4月8日)によって、8への大量の乗り換えが起こるはずだったが、3月の8/8.1のシェア(11.3%)と比べて4カ月で3.5ポイントしか増えていない。XPは減少はしているが、結構な割合が7に流れている。

 Windows 8のあまりの不振に、メーカーもWindows 7への逆戻りを余儀なくされたという。NewsFactorは、Hewlett-PackardがWindows 7モデルの販促キャンペーンを実施するなど、引き続きWindows 7をプッシュしている例を挙げている。またHPは今年初め、オンラインサイトのトップページからWindows 8モデルを引っ込めたという。

 Windows 8の不人気の大きな原因が、大幅に変更されたユーザーインターフェイスにあることは議論を待たないだろう。Microsoftは8.1でスタートボタンを復活させるなど軌道修正を図ったが、なおユーザーの目は冷たい。ユーザーにWindowsを見直してもらうためにも、Windows 9は早急に用意しなければならないのだ。

 Mary Jo Foley氏はWindows 9の役目を次のように指摘する。「MicrosoftがWindows 9で抱えている重要なミッションは、Windows 8で犯したユーザビリティの失敗をやり直すことにある。タッチ向けのユーザーインターフェイスではなく、キーボードとマウスで使うことを好むようなユーザーに向けてだ」。

 また、MicrosoftはOSのリリース頻度を上げる方針を打ち出している。昨年6月の開発者セミナー「Build 2013」で発表した「Rapid Release」では、ほぼ1年ごとにリリースすると表明した。従来は、前バージョンからの開きは、Vistaで5年、7と8で3年と長かった。

 かくしてWindows 9は来春のリリースに向けて突き進んでいる。一方、これまでのWindows 9に関する報道に気になるものがある。「Windows 9が無料のアップグレードになる」というものだ。

(行宮翔太=Infostand)