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Microsoftの大きな転換点になる? 次期OS「Windows 9」

OSビジネスモデルの転換点?

 今年初め、著名なMicrosoftウォッチャー、Paul Thurrott氏が、次期OSの名称がWindows 9に決まり、2015年4月にリリースになると伝えた。同時に、Metroの扱いがポイントになること、さらに、その時点で新OSのコーディングは始まってないとも述べている。

 これは従来のOS開発にはなかったスケジュールだ。Infoworldは、コーディングが始まってないのには、2つのことが考えられると分析した。(1)Windows 8からWindows 9では多くの変更点があるのでなく、少ないながら重要な変更がある。つまり、いくつかの問題にフォーカスしている(2)新バージョンのWindowsを毎年リリースする新しい戦略(Rapid Release)を反映している――ということだ。

 確かに、これまでのWindows 9情報では、Microsoftはユーザーインターフェイスの問題にフォーカスしているように見える。一方、更新サイクルについては、Mary Jo Foley氏が最近、興味深い指摘をしている。

 Foley氏の情報ソースによると、OS開発グループはWindows 9のリリース後、1年2年の大型アップデートではなく、通常の順次アップデートをリリースしながらAzureやOffice 365への対応を完了することを求められている。その後は、Windows 10やWindows 11をリリースする代わりに、Windows 9のアップデートに注力していくという。

 このことからFoley氏は、Windows 9には今までにない特殊なポジションにあるのではないかとみている。「クラウドとプロダクティビティ製品への橋渡し」の役割だ。

 Microsoftは、Satya Nadella CEOの新スローガン「Mobile first, Cloud first」に向けて大きく方向を変えた。Windows 10やWindows 11などの新バージョンを投入せず、細かなアップデートを進めるのであれば、ソフトウェアパッケージ販売をしてきたOSのビジネスモデルを大きく変える可能性がある。

 一つは将来のOSアップグレードを有料サブスクリプション方式にする可能性。でなければ、クラウドとの連携強化を進める中でユーザーにMicrosoftプラットフォームを使ってもらうため、アップデートを無料にしてゆく可能性だ。

 実はFoley氏が得ている内部情報によると、Windows 8.1とWindows 7 SP1のユーザーには、Windows 9アップデートは無料で提供されることになりそうだという。Windows 9が新しい方式の始まりになることも考えられるのだ。

 とはいえ、本当に無料化が実現するのか、実現したとして恒久的な対応なのか、期間限定の移行キャンペーンなのか――。もちろん今の段階では全くわからない。あくまで可能性である。だが、こうしたことを考えていくと、Windows 9の新機能として挙げられた「one-click upgrade」もなにやら意味深に見えてくる。

 すべては1カ月後のMicrosoftの発表で明らかになるだろう。

行宮翔太=Infostand