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ユーザー数に注目 転機迎えるTwitter

 ユーザー数と広告収入を増やし、拡大を続けるFacebookに対し、Twitterの成長には懐疑の目が向けられるようになった。ユーザー数が期待ほど伸びないことがその原因だ。しかし、7月末に発表された第2四半期のユーザー数は約3割の増。これを受けて同社の株価は時間外取引で35%も跳ね上がった。同社はログオンしていないユーザーを取り込んで自社の価値を高める方向性を打ち出した。Twitterはどこへ行こうとしているのだろう。

W杯効果? ユーザー増で株価急騰

 投資家の注目が集まる中、Twitterは7月29日、第2四半期の決算発表を行った。売上高は前年同期比124%増の3億1200万ドル、損益は前年同期の赤字が4200万ドルから1億4500万ドルの純損失に拡大した。売り上げの多くは広告で、同129%増の2億7700万ドルだった。

 だが、市場は決算内容よりもTwitterのユーザー数に関心を持っていた。結果は、月間アクティブユーザー数(MAU)が2億7100万人となり、前年同期から24%の増だった。アナリスト予想(21%)を上回る成長で、前四半期(第1四半期)からは6.3%の増加となる。モバイルに限定するとMAUは2億1100万人で全体の8割近くを占めた。

 広告の売り上げは8割がモバイルからで、モバイルへの移行が順調に進んでいることをうかがわせた。市場はこれを歓迎し、30ドル付近まで落ち込んでいた株価は時間外取引で49ドル台をマーク。久しぶりに高値を付けた。

 Twitterの追い風となったのは6月から7月にかけてブラジルで開かれた「FIFA ワールドカップ」だ。開催国ブラジル代表が7対1で大敗したドイツ対ブラジルの試合中、3560万件のツイートが飛び交うなど利用は好調で、期間中の関連ツイートは6億7200万に達した。これはTwitterにとっても過去最大のイベントだ。Twitter自身も、新しいユーザーに好きなチームを聞いて関連性が高いアカウントを表示するなどの対応をとった。

 これらが奏功したのか、会期中に米国外の広告主の出稿が増えたという。Twitterは、スペイン、イスラエル、南アフリカでセルフサービス形式の広告プラットフォームの提供を開始した。

(岡田陽子=Infostand)