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Motorola買収の損得 GoogleがLenovoに29億ドルで売却

 GoogleがMotorola MobilityをLenovoに売却すると発表し、業界を驚かせた。譲渡額は29億1000万ドルだ。GoogleにとってMotorolaは125億ドルを投じた過去最大の企業買収で、まだ2年もたっていない。Lenovoは前の週にIBMからx86サーバー事業を買収すると発表したばかりで、拡大志向が目立つ。この取引はGoogleとLenovoにとってなにを意味するのだろう。

22カ月の蜜月にピリオド

 1月29日の両社の発表によると、Lenovoは買収額の29億1000万ドルのうち6億6000万ドルを現金で支払い、GoogleはLenovoの株式7億5000万ドル相当を取得する。残りの支払いは今後3年で完了する計画だ。GoogleはMotorolaの1万7000件の特許のうち1万5000件を維持し、先進技術開発を行うAdvanced Technology事業部も維持する。

 一方、Lenovoが得るものはMotorolaのブランドとハードウェア事業、そして残りの約2000件の特許となる。取引の一部として、GoogleはLenovoに特許をライセンスする。

 Lenovoは携帯電話では新参で、中国市場など限定的に展開している。それでも強い地元市場に支えられ、シェアは急速に伸びて現在5位。Motorolaと合わせることで、単純計算でシェア3位に躍り出る。

 Googleは2012年5月に125億ドルの巨額でMotorolaを買収した。Googleにとっても過去最大の買収だ。この買収はソフトウェア企業がハードウェアを取得するという点でも注目された。当初、Googleの目的は特許でありハードウェアは興味がないのかとうわさされたが、Googleは米国担当広告営業トップだったDennis Woodside氏をCEOに任命し、本気をアピールした。それでも、Googleの元でMotorolaから登場した端末は「Moto X」「Moto G」など数機種だった。Motorolaは損失に歯止めがかからず、好業績のGoogleの中で足を引っ張る存在となっていた。

(岡田陽子=Infostand)