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欧州の業界団体が規制当局に訴え VMware by Broadcomのライセンス変更問題

「サブスクは業界標準」

 新ライセンスに対するユーザー企業の不満は業界に広がっている。The Registerは、2月に開催された「VMware User Group Town Hall」セッションで、ある参加者が500~600%の価格上昇になったと嘆いていたことを伝えている。

 VMware側は、こうしたユーザーの不満に応えるのに躍起のようだ。幹部たちがそれぞれメッセージを送っている。

 CEOのHock Tan氏は、買収100日目の節目として公開したブログでライセンスについて説明。「(変更が)顧客やパートナーに不安をもたらしたことは認識している」とした上で、「迅速なイノベーションを通じて顧客のニーズを効果的に満たし、われわれとのビジネスを容易にすることを目指している」と述べている。

 また、The Registerによると、アジア担当プレジデントのSylvain Cazard氏ら幹部たちも、サブスクリプションはもう「業界標準」であると主張。「VMwareが新しいモデルを導入するのに、多くの他企業よりも長い時間を要した」と理解を求めている。

 製品面でCazard氏は「Cloud Foundation(VCF)の2つ以上のコンポーネントを利用しているユーザーは最終的に支払いが減り、サポートも付属するので、価格上昇への不満は妥当ではない」とThe Registerに述べたという。

 7月には、1つのライセンスキーですべてのコンポーネントを使用できるようにする予定で、「VMwareの全製品にシングルサインオンを導入し、VMware NSXのオーバーレイを加えるため、OAuthのサポートが加わる」と説明。VCFの実装が容易になるとしている。

 VCFは2025年前半に最新バージョンとなるVCF 9をリリースする予定だ。「製品の統合についてのBroadcomのビジョンを体現したものになる」と幹部らはThe Registerに語っている。

 Tan氏も、「パブリッククラウドのスケールと俊敏性、プライベートクラウドのセキュリティと耐障害性を得られる効率的なクラウド運用モデルを構築できる」と述べ、「より多くの顧客にメリットを享受してもらえるよう、サブスク価格を半額に下げ、サポートサービスレベルを引き上げた」と売り込んでいる。