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本格的な影響が始まる 2017年のAIトレンド

AIの活用を図る企業ユーザー

 そして2017年、企業はAIのトレンドを理解しながら、自社への活用を考えるよう迫られる。Wall Street Journalは、CIOがAIの活用を模索するトレンドを「AIがCIOのアジェンダを加速」という記事で紹介している。

 この中で紹介されている保険大手のAIGは2016年にAI関連プロジェクトを複数展開し、2017年は中核事業にいかに取り込むかを考えているという。

 同社のCIOは「2017年のことを考えているCIOは誰もが、AIとナレッジベースのシステムが自分たちのビジネスに何を意味するのか、顧客にとって何を意味するのかを考えなければならない」と自戒するかのように語っている。

 同社は、その取り組みの一つとして、AIを利用してシステムの性能に関するデータを収集・分析する“仮想エンジニア”を5つ実装。これまでに14万5000件以上のインシデントを解決し、2万3000時間分の生産性改善を実現したという。

 Wall Street Journalはまた、AIの取り込みを図る意識が高まる一方で、予算が増えない中で企業がやりくりに苦心していると指摘。「多くのCIOたちはまた、減額方向にあるセキュリティ以外の予算を、新しいプロジェクトに再配分することを強いられている」と述べている。

 AIにどう向き合うのか――。2017年は、さまざまな分野で問われる年になりそうだ。