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AWSとMicrosoftが圧倒、調査会社のIaaS市場レポート

 業界注目のクラウドベンダーの評価レポートが相次いで発表になった。トップは10年前からIaaS市場を切り開いてきたAWS(Amazon Web Services)。これに次ぐ2位はMicrosoftだ。しかし、3位以下は混沌としており、調査会社によって評価も異なる。これには、そもそもの問題としてクラウドの定義がいまだあいまいであることからの混乱があるようだ。

「リーダー」はAWSとMicrosoft、その他のほとんどは「ニッチ」

 Gartnerが発表した2016年版クラウドインフラの「Magic Quadrant」では、トップはAWS、次いでMicrosoft。それを追う形でGoogleがつけているという格好だ。Magic Quadrantは縦(実行能力)横(ビジョンの完全性)の2軸のグラフの中に各社を位置づけるもので、それぞれを「リーダー」「概念先行型(ビジョナリー)」「チャレンジャー」「特定市場指向型(ニッチプレーヤー)」の4つのいずれかに置く。

 その結果、「リーダー」は、AWSとMicrosoftの2社のみ。Googleは「概念先行型」で、残り7社はすべて「ニッチプレーヤー」と位置付けられ、AWSとMicrosoftが抜きん出た状態であることを印象づけている。

 レポートは約50ページで、各ベンダーの提供するサービス、データセンターの位置、推奨されるモードと使い方、強い分野、弱い分野などを分析している。ZDNetは上位3ベンダーのポイントを次のようにまとめている。

AWS

多様な顧客がおり、ほとんどのユースケースが集中している。技術的に成熟しているが、運用には専門知識が必要で、利用者には営業とアーキテクチャのエンゲージが必要。サービスの幅が広いが、そのことが利用にあたって問題になることもある。

Microsoft

インフラと「platform as a service」をベストに統合している。オープンであり、AWSの代替として優れている。短所はドキュメンテーション、サポート、継続的なサービス拡充で、深い統合作業となるとパートナーの専門性が足らない。

Google

ビッグデータとバッチコンピューティグ向けには良い選択肢となりうる。ビジョンが強く、クラウドネイティブアプリについて理解している。また、機械学習と分析でも技術を持っている。弱点は、リーダーベンダーに対抗できる機能セットを持たず、大企業、中規模企業とのエンゲージがない点。