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2015年の国内IT市場は14兆7387億円で前年とほぼ同規模、大企業が市場を牽引
(2015/12/10 15:59)
IDC Japan株式会社は10日、国内IT市場の産業分野別/企業規模別の2015年上半期(1月~6月)の実績と、2015年~2019年の市場規模予測について発表した。
2015年の国内IT市場は、全体で14兆7837億円で、前年比成長率0.1%と予測。PC更新需要や大手金融機関などの大型案件でIT支出を伸ばした2014年の反動を受け、2015年の成長率はほぼ横ばいになったと分析している。
産業分野別では、通信/メディアおよび消費者以外のすべての産業がプラス成長の見込み。特に、銀行、製造業、小売業、運輸業、サービス業が、堅調なIT支出を2016年以降も維持すると予測している。
企業規模別では、大企業(従業員規模1000人以上)の2015年のIT市場規模は7兆655億円(前年比成長率1.0%)、2014年~2019年の年間平均成長率は2.0%の見込みで、引き続き大手企業が国内IT支出を牽引する。
一方、他の企業規模と比べ成長が鈍化するのが小規模企業(1~99人)で、2015年の前年比成長率はマイナス0.5%、2014年~2019年の年間平均成長率は1.2%と予測。消費税増税対応や、円安による原材料価格高騰の影響を受け、業績が減速する小規模企業が増加していることを反映していると分析する。
中堅企業(500~999人)の2015年の前年比成長率は大企業と同じ1.0%、中小企業(100~499人)は0.8%とプラス成長の見込み。2016年以降、中堅中小企業の業績回復に伴い、システム更改のほか、新規のシステム案件が増加すると予測している。
ユーザー調査で各社に質問したITの活用領域は、中小企業では「社内情報の共有と有効活用」や「業務プロセス改革」の回答率が高く、中堅企業では「生産性の向上」のほか、大企業と並び「ビジネスモデルの変革」の回答率が高い。
また、従業員1000人以上の大企業の経営層がIT部門に出す指示には、第3のプラットフォームや、IoTなどのイノベーションアクセラレーターの領域での取り組みが含まれ、さらに産業ごとに傾向が出る結果となった。IDC Japan ITスペンディング マーケットアナリストの岩本直子氏は、「ITベンダーは、産業ごとのトレンドとユーザー企業のテクノロジーニーズを迅速に捉え、ユーザー企業の市場競争力を高めるためのパートナーとなるべきである」と分析している。